On The Virg – Serious Young Insects(1999)

オーストラリアのバカテクドラマー Virgil Donati が在籍したバンド・・・なのか、Virgil のプロジェクトなのか、そのあたりは不明だが、プログレ・フュージョン・メタル好きな人にはお勧めできる作品。
但しアルバムはこの1作のみで、しかもやや入手困難。他にほぼ同じメンバーで作られたDVD(Anatomy of Live – 2012)があり、こっちは何と Virgil ご本人がネット販売していたりするので入手容易。
Virgil Donati は、Planet X での活躍ですっかり有名になった。また Dream Theater のドラマー Mike Portnoy 脱退後に行われた世紀の大オーディションに参加して Mike Mangini に負けたこともビッグニュースだった。
と、Virgil の話中心になってしまうのはやむを得ないものの、本作に参加している他のメンバーも日本では馴染みの薄い名前ばかりだが超バカテク揃い。オーストラリア凄い。Brett Garsed か、Tal Wilkenfeld くらいしか知らなかったが。
僕は特に g の Simon Hosford のプレイが気に入った。(DVDで見ると、Simon はスキンヘッド&タトゥーの強面兄さんで、一人だけ異彩を放っている。)

Tr.1 Native Metal
SF的なカッコよさ、ワクワクする壮大なテーマ、 変拍子とキメの連続。後半に出てくる変な音の g solo は、T.J. Helmerich の両手タッピングらしい。

Tr.3 Alien Hip-Hop
後に Virgil が Derek Sherinian と組んで立ち上げた Planet X のアルバム Quantum(2007) でも、この曲のより進化したバージョンを聞くことができる。
メトリックモジュレーションって言うのかな、細かいリズムAとゆったりしたリズムBの2つのリズムが交互に切り替わるのだが、ドラム(BDとSD)は実は常にリズムBをキープしていて、上に乗っているギターやドラムのオカズ類でリズムAを叩いている。何度聞いても幻惑される曲だ。

Tr.7 Trencherman
これが僕のベスト1。
ちょっと昔の Bruford とか思い出す曲調。g も Holdsworth っぽいしね。
kbd (軽く歪んだエレピ)の Phil Turcio が大活躍。kbd の左手でずっとリズムキープしてくれているので、Virgil は暴れ放題叩いている。
kbd ソロの後、大迫力のブレーク(キメ)を挟んで、ロックっぽい音の g ソロ、その後キメッキメのエンディング。何とかっこいいことか。

Tr.8 Out of the Haze
b の Evripides Evripidou を大フューチャーした曲。無茶苦茶上手い。後半、b と g によるキメキメのユニゾンもある。Evripides さんは、Cyprus 生まれでオーストラリアに移住してきた人らしい。 Cyprus 生まれの移民のベーシストと言うと今は亡き Mick Karn を思い出すね。ジャンルはちょっと違うけど。

Tr.11 Pentathlon
変態的5拍子(4×5)なので Pentathlon なんだろうか。一人で5種類の楽器を順に演奏できたら、本当の Pentathlon (近代五種競技)なんだけどね。あー、これは本当に5拍子なのか。何度聞いても良くわからん。
2:30 頃から Brett Garsed の名人芸レガートギターソロ。30秒ほどで終わってしまうが、もっと聞きたいなあ。
最後は Virgil の暴れ太鼓乱打と桜吹雪(イメージ)で幕が降りる。

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