Ryo Okumoto – The Myth Of The Mosrophus(2022)

米国を代表するネオプログレの雄 Spock’s Beard のキーボーディスト Ryo Okumoto (奥本亮)のソロアルバムがリリースされたのでレビュー。
ソロの前作 Coming Through が2002年リリースだから実に20年ぶりだ。
今回のテーマは、奥本亮版 Spock’s Beard (Ryo’s Beard)ということらしい。
本人以外のミュージシャンは、まず Spock’s Beard から Allan Morse(g) / Dave Meros(b) (1曲だけ Ted Leonard(vo) も)、そして元 Spock’s Beard (現 Big Big Train)の Nick D’Virgilio(ds, vo) が参加している。ブックレット内の解説によれば、都合が合えば Neal Morse も参加予定だったらしい。
Spock’s 関連以外のメンバーとしては、Michael Whiteman(vo, g) / Jonathan Mover(ds, perc) あたりが骨格になっている。
そして大物ゲストとして、元Genesisの生きるレジェンド Steve Hackett(g)、Living Colour の Doug Wimbish(b)、The Flower Kings の Mirko De Maio(ds) が参加。他にも曲毎に多くのゲストが参加している。

Tr.1 Mirror Mirror
不思議なメカニカル音から爽快な曲がスタートする。
この音はハモンドオルガンのトーンホイールが回転を始めるときの機械音らしい。
Spock’s 組が全員集合しているので、サウンドはまさに奥本亮版 Spock’s そのもの。
更に豪華で分厚いバックコーラスが加わり、曲に豪華さを加えている。
このバックコーラス隊には奥本亮の奥様も参加している。プロのオペラ歌手らしいぞ。
私見だが、もしここに Neal Morse が参加していたなら、Neal 色が色濃く出すぎてちょっと違う方向に行ってしまっていたかもしれない。
Transatlantic とか、とっても大好きなんだけど、ほとんど Neal 風味だからなあ。
Nick のボーカルで十二分に素敵、かつ丁度良いバランスに感じる。

Tr.3 The Watchmaker [Time On His Side]
80年代っぽいミディアムテンポのリズム、オクターブ上下を繰り返すギターリフ(The Knack 風)、この曲はかっこいいねえ。

Tr.4 Maximum Velocity
ちょっとダークでハードな曲調、しかも変拍子てんこ盛り。
加えて皆様お待ちかね?、御大 Steve Hackett のgソロが6:15くらいから。
ちょっと期待していた泣きのロングトーンではなく、荒ぶる速弾きに終始する感じなのがやや惜しいが、ソロ後半では奥本亮のシンセとのバトルもあって美味しくいただけるぞ。

Tr.5 Chrysalis
先行してMVが公開された、本人曰く本アルバム中絶対の自信作とのこと。
英国風を感じる端正でクラシカルな曲調、ウィンドとストリングス入り。バイオリンは何と中西俊博御大だ。
そして Doug Wimbish(b) の参加。どーん、ずしーんと構える Dave Meros の重厚なベースに比べると、控えめな音ながらも細かいフレーズで後ろの空間を埋めていくという全く異なるアプローチが面白い。

Tr.6 The Myth Of The Mostrophus
20分を大きく超えるアルバムタイトル曲。
再び Spock’s 組が大集合。
リードボーカルを、元 Spock’s の Nick D’Virgilio と現 Spock’s の Ted Leonard が交代で取っているのが何だかとっても面白い。
8:30あたり、ちょっとノリノリグルーブのDisco風になるあたり、Andy Tillison あたりとも通ずる感覚。まあそういう年齢なんだろうね~。
14:40あたり、フォーキーなアコギをバックに素敵なコーラスパートが始まる。Spock’s 風でもあるけれど、もっと更に昔のPopチューンを感じる甘酸っぱい曲調。このあたりが Ryo’s Beard の真骨頂なんじゃないかな。
そして19:50頃から壮大なエンディングパートが始まる。分厚いコーラスとともに大団円。
曲構成は鬼のように複雑なんだけど、とても聴きやすく、22分の大曲があっという間に終わる。この作曲能力・曲構成力は何とももの凄い。Neal Morse ももの凄い曲を書くけど、奥本亮凄いね。

Tr.7 Waiting to be Born [bonus track]
日本版にはボートラが2曲入っているのでオススメ。
TFK の Mirko De Maio が参加している。ブックレットの解説によると Mirko 本人から「参加させてくれ~」とラブコールがあったらしい。
曲調に合わせて、手数を抑えた、歌心のあるドラミングに徹している。

Tr.8 Sonny [bonus track]
息子さんに捧げたピアノ・ソロ。
息子を横に座らせて、即興で弾いたとのこと。
包み込まれるような愛情を感じる良い曲。
オリジナルUS版だとTr.6の鬼のような大曲で終わるわけだが、日本版のこの優しいピアノでしっとり終わらせる方が、余韻が長く残って数倍良いと思う。
ということで、購入するなら日本版オススメ。

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