2021年末にインカムを Sena 50S に買い替え、Shoei GT-Air に取り付けて使用していたのだが、いくつか思うところがあって 2022年2月にシステムヘルメットである Kabuto Ryuki に乗り換えてみた。
まだこのヘルメットについて当BLOGで書いていなかったと思うので、ごく簡単なレビューと、Sena 50S との相性や工夫等について書いてみる。
Kabuto Ryuki
そもそも何故システムヘルメットに乗り換えたのかと言うと、まあどれも大した理由ではないのだけど3つある。
- 以前当BLOGでも書いたようにバイクのシートに Komine のヒーティングシートパッド(シートに巻きつける電熱パッド)を取り付けているのだが、操作スイッチ(On/Off及び温度切替)がパッドの横に付いており、乗車状態で腰の左後ろを見下ろして操作しようとするとフルフェイスヘルメットのチンガードが邪魔になって視認できず、イラつく。
- フルフェイスヘルメットの中でくしゃみをすると、何だか清潔じゃなくてヤだ。
- インカムを付けていない知人と一緒に走る際に、信号待ち等で会話しようとしても、こちらの声がチンガードに邪魔されてなかなか通らない。
小さなイライラも積もり積もればマグマとなり、バイク用品店に駆け込んでヘルメットを新調するくらいのエネルギーになるのだよ。
で、買い替えたわけだが、前述の3点については無事解消されたので、概ね満足。
ただ不満がいくつかある。
まず Shoei GT-Air からの乗り換えなので、圧倒的に静粛度(遮音性能)が劣る。高速巡航時には音楽やインカム通話がかなり困難なレベル。
それと、やはりお安い製品なので、帽体の厚み(強度)も、内装の材質・品質も劣る。
但し、GT-Airに比べて良いところもあり、赤外・UVカットシールドは真夏に快適だし、ノーズガードがデカいので冬季の呼気による曇りもかなり防げる。
プラス・マイナスを均せば、総じて良い商品と思う。
因みに購入した色・柄は、Ryuki Energy のホワイト&レッドだ。
Sena 50S の取り付け
新たに購入した Kabuto Ryuki に Sena 50S を取り付けようとして、実はなかなか苦戦した。
操作性を考えれば、帽体の真横、インナーバイザーの上下レバーの45度斜め後下方くらいに取り付けるのがベストなんだが、取り付けてみるとチークパッドの抜き差しができなくなる。
色々と試行錯誤した結果、チークパッドの最後端あたりに取り付ければ、しっかり固定でき、なおかつチークパッドの抜き差しも可能だった。
(50S の固定は、帽体を内外から挟み込んでボルト締めする方法と、帽体外に両面テープで台座を貼ってそこに固定する方法があるのだが、後者は操作時にぐらつきが気になるので僕は前者だ)
帽体の横というよりも、ほとんど後頭部に近いので、操作性も見た目も若干違和感がある。
でも 50S はダイヤルやスイッチ類が大きく、手探りでも操作容易なので、この状態で使っている。
高速巡航時の風切り音も、真横取り付けに比べて少しは減少するかも。
あー、ところで、僕の Sena 50S には迷彩(カモ)柄のスキンシールを貼ってドレスアップ(笑)しているのだが、これが偶然にも Ryuki Energy のサイドのカモ柄とおんなじで、なかなか良い感じ。
(追記: 所属ツーリングクラブのお仲間さんから上手な付け方を教えていただいた。
操作性及び見た目を考えると、ヘルメット側面のKabutoロゴのすぐ左(上の画像で)にあるインナーバイザー操作レバーの真下あたりに取り付けるのが最適。
ここに取り付けると、チークパッドも問題なく着け外しできる。
ところが取付時にインナーバイザー操作レバーが邪魔するし、メッシュアンテナを上げ下げするときや、ホルダーから50S本体を着け外しするときにも同レバーが邪魔をする。
その解決策はとっても簡単。
取付時・アンテナ操作時・本体着け外し時には、インナーバイザー操作レバーを上げればよろし。(驚)
目から鱗でありました。
以上追記終わり)
50S にはマイクロホンが3種類付属してくるのだが、Ryuki にはアーム型マイク(50Sの本体に直接プラグインする方ではなくて、アームをヘルメット内に貼り付けて本体にケーブル接続する方)を使った。
写真のように、チークパッドに挟んで先端を出し、下に曲げてチンガードに当たらないようにしている。
実は 50S 取り付け後しばらく、フルフェイス用のチンガード裏に貼り付けるタイプを、チークパッドの前端裏に押し込んで使ってもみたのだが、当方の声がかなり消音されてしまい、大声を張り上げないと相手に聞こえにくいようだった。
50S のスピーカー取り付け
Ryuki に 50S のスピーカーを取り付けるにあたり、注意点が一つある。
Ryuki には、最近の多くのヘルメットと同様、インカム用のスピーカーホール(窪み)が予め設けられており、普通はそこに素直に取り付けるよね。
で、取り付けて見たところ、どうも音が今ひとつ。特に低音が聞こえてこない。
僕は長距離走行時にロックやジャズを聴きながら走るのが好きなので、音楽の再生音質はかなり重要事項なのだ。
因みに僕の 50S は Harman Kardon モデルが登場する前の製品なので、Premium スピーカーって奴なんだけど、GT-Air の時には特に音が悪いとは感じなかった。
調べてみた結果、何と Ryuki のスピーカーホール位置と僕の耳(耳孔)の位置がかなりずれていることがわかった。
三脚にカメラをセットして、ヘルメットを被った状態と脱いだ状態の写真を横から撮影し、画像編集ソフトを用いて半分透過し重ね合わせしてみると、僕の耳孔(耳の穴)がヘルメットのどのあたりに来るのかが一目瞭然。
結論から言うと僕の耳孔は、ヘルメットのスピーカーホールよりも数cm前方かつ下方にあった。
(Ryuki の帽体サイズが、僕の頭部に対して大きすぎるのかもしれず。キツめの帽体が好きになれないので、購入時のフィッティングで一回り大きな帽体を選び、内装に詰め物をマシマシしてサイズを合わせてもらったのだが、それが耳の位置が合わない原因の可能性あり)
なので、スピーカーホールはパッドで埋めて、スピーカーを半ばチークパッドに埋め込むように前方かつ下方に貼り付けたところ、しっかりと低音も聞こえるようになった。
更にちょいと工夫をしてみたよ。
スピーカーにPUレザーのイヤーパッドを取り付け、耳(外耳)との密着性を上げてみたところ、オーバーイヤータイプのヘッドフォンに匹敵するとまでは言わないが、音質(特に低音)が明らかに向上した。
取り付けたイヤーパッドは Amazon で2つ入り800円くらいで購入したもの。
50S のスピーカーは外径40mm、それに対し購入したパッドは外径50mm用だけど、うまいことピッタリ付いてくれたよ。
しっかりとした低音を聴かせるためには、大きなドライバー(スピーカーの駆動部)にするか、ドライバー背面から放射される逆位相の音波を封じ込める(キャビネットに格納する、吸音材を入れる等)か、そのあたりが定石。ヘッドフォンのイヤーパッドは、ドライバー裏側からの音波が耳に届くのを多少邪魔してくれるわけだ。
なお、スピーカーにパッドを取り付けると周辺部の厚みが増すので、長時間ヘルメットをかぶり続けると耳たぶを圧迫して痛くなる可能性がある。そのあたりは各自で工夫してくだされ。
以上、ヘルメットとインカムについてのお話でした。
特にイヤーパッドは、取付簡単な割には得られた効果が大きかったので、ご興味ある方は是非試してみてくだされ。
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