Transatlantic – The Absolute Universe: Forevermore(2021)

現代プログレ最高峰のスーパーグループ Transatlantic の新譜が届いたので、このところ毎日朝から晩までこればかり聴く日々だ。
Transatlantic は、Neal Morse(ex Spock’s Beard) / Roine Stolt(The Flower Kings) / Mike Portnoy(ex Dream Theater) / Pete Trewavas(Marillion) の4名によるプロジェクト。2000年リリースの初作 S.M.P.T.e から数えて本作でスタジオ・アルバム6作目(別バージョンやライブ版は除く)となる。スーパーグループってのは短命で終わることが多いのだが、この方達はよほど仲が良いのか、人間ができているのか、理由は不明だけど長く続いているのが嬉しい。
さて、Transatlantic の魅力は、まさに現代プログレの粋(エッセンス)を凝縮した曲作り・音作りにあるのだが、ものすごく乱暴かつ大雑把に言い切ってしまうと、かつての Spock’s Beard が有していたロマンチックで楽しい音楽と、The Flower Kings が持っている隙が無い王道のプログレが見事に重ね合わされてさらにアウフヘーベン(?)している様にある・・・気がするのだけど、何を書いているのか自分でもわからない。
本作は最初にスウェーデンに4人が集まって打ち合わせを行った後、各自の自宅スタジオでそれぞれ作業を行い、持ち寄って合体するという流れで作ったらしいが、結果的に同じ曲でも複数のバージョンが出来上がり、どれも甲乙つけがたいので、全部リリースしちまうという暴挙に出た。僕が購入したのはCD2枚組の “Forevermore” バージョンなのだが、それとは別にCD1枚の “The Breath of Life” バージョンが同時発売されている。後者は前者の抜粋版なのではなくて、同じ曲の別バージョンが入っているのだ。まあファンは全部買えってことだな。お財布が痛いよ。
参加ミュージシャンは前述の4名に加えて、ストリングスセクションが数名加わる。作曲・編曲は全て4名の共同名義。

Tr.1-1 Overture / Tr.1-2 Heart Like A Whirlwind
Neal Morse らしい荘厳なイントロに続いて、とっても Spock’s Beard っぽい疾走曲が始まる。Neal のオルガンとシンセ、Roine のドラマチックなギター、細かくバスドラを刻む技巧的な Mikey のドラムス、そしてブリブリと主張する Pete の唸るベース。最初から Transatlantic らしさ全開の序曲だ。
この序曲だけで8分強もあって、ドラマチックな起承転結もあり、もうすでにお腹いっぱい。
続いて、Tr.2 が疾走を始める。そういえば2009年リリースの彼らの名作 The Whirlwind も、Overture ~ Whirlwind という流れで始まった。Tr.2 の曲名から見ても意識的にそれを継承させているのだろうし、過去作のメロディーの断片も効果的に使われている。4名のコーラスワークも(別々に作業したとは思えないレベル)完璧。もうここでアルバムを終わっても良いのでは^^;と思うほどの怒涛の仕上がりだ。

Tr.1-3 Higher Than The Morning
Neal Morse らしいポジティブで爽やかで、ちょっとキリスト教布教活動的な^^;曲。

Tr.1-4 The Darkness In The Light
Roine がメインボーカル。曲調も TFK 的。現在の TFK と比べるとやはりドラムスの力量が一桁違うなとつくづく思う。

Tr.1-5 Swing High, Swing Low / Tr.1-6 Bully
アコギでフォーキーな歌い出し。美しいコーラスワーク。ドリーミーなシンセ。品の良いピアノ。これは良い曲だ。
曲はそのままエンドレスに次の Bully に繋がる。Bully の始めのあたりでも “Swing High, Swing Low” と歌われるよ。この曲もいかにも Neal らしい起伏が激しく楽しい曲。

Tr.1-7 Rainbow Sky
Neal らしいポップチューン。この4名は皆ビートルズが大好きなので、こういう曲をどうしてもやりたがるのね。途轍もなく高水準に構築された楽しいポップチューン。
曲の終盤で、Tr.1-2 のメインテーマが帰ってくる。というより、実を言うと本作は長大な一つの曲らしいぞ。(びっくり)

Tr.1-8 Looking For The Light
メインボーカルは、これは Mikey の声かな。
曲調も少しダークで、ほんのりとメタル成分を感じる。

Tr.1-9 The World We Used To Know
ちょっとスプリングスティーンみたいなロックなギターで始まるが、その後の展開は TFK 的な高度に構築されたプログレチューン。
ここでもまたメインテーマが演奏されエンディングチューンらしくなるのだが、まだ1枚めの終わりというだけであって、アルバムはまだまだ続くのだ。ああお腹いっぱい。

Tr.2-1 The Sun Comes Up Today
分厚いアカペラコーラスで曲が始まる。2:45まではインストパートで、これも一種の序曲(Overture)なのだろう。ボーカルが入って疾走を始めるのは1枚目と同じ構造。

Tr.2-8 The Greatest Story Never Ends
とても全曲紹介は仕切れないので少し飛ばしていく。
この曲はちょっと Kansas っぽくて僕の好み。
終盤、とんでもなく荘厳に大風呂敷を広げ、エンドレスに最終曲に繋がる。

Tr.2-9 Love Made A Way
いよいよ本作の大団円。前曲で広げた風呂敷の高音圧のまま、高らかに、高らかに、愛を歌う。家族や恋人への愛なのか、神への愛なのか、それは聴く者それぞれだと思うが、ロックダウンで抑圧的な暮らしを送っている我らにとって確かに今こそ必要なのは心の中にある愛を確かめることだし、それが自身の道を開くことに繋がるのだろうね。Transatlantic の皆様、素晴らしい音楽をありがとう。愛しているよ!

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