Snarky Puppy – Live At The Royal Albert Hall(2020)

米国の Jazz バンド・・・というか、ご機嫌な Groove Jazz Funk Fusion バンド Snarky Puppy のライブアルバム。
日本人(小川慶太)が参加しているバンドが、第63回グラミー賞で最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞したもんだから、何と日経新聞にも記事が載るほどの勢い。で、遅ればせながらネットでCDを購入しようとしたらどこもかしこも売り切れ・在庫なし・・・。人気があって売り切れなのではなく、日本ではそれほど売れないから取扱量が少ないみたい。結局Amazonに出店している英国の商店からはるばるお取り寄せして入手できたのだが、この売れ筋バンドの最新作でさえ、入手にこんなに苦労するとはねえ。

さて本作だが、CD2枚組、11曲。2019年に行われた英国でのライブを記録したアルバムだ。スタジオライブ型式のアルバムは過去にリリースしているが、ホールでのライブを収めたライブアルバムは初めて。最強のライブバンドである彼ら(スタッフ陣も含めて)による完璧な演奏・収録が聴きどころ。

本作での参加メンバーは以下の14名。
Mark Lettieri(g) / Zach Brock(vln) / Bobby Sparks(kbd) / Bill Laurance(kbd) / Shaun Martin(kbd) / Justin Stanton(kbd, tp) / Mike “Maz” Maher(tp, flugelhorn) / Chris Bullock(ts, fl, alto flute) / Bob Reynolds(ts) / Jason “JT” Thomas(ds) / Keito Ogawa(perc) / Marcelo Woloski(perc) / Mason Davis(krakebs) / Michael League(b, Moog bass, krakebs)
彼らは30名を超える登録メンバー(何それ?)の中から、ローテーション制でお仕事毎に参加者を募るという日雇い人夫的なスマートかつユニークな運営をしているので、アルバムやライブ毎に顔ぶれが変化する。演奏する曲自体は勿論きちんと作り込まれているのだが、誰かが送り出した素敵なフレーズに全員が瞬発的に対応して、その場でどんどん熱く発展させたりするのが最強のライブバンドと呼ばれる所以。

Tr.1-1 Even Us
スタジオアルバム Immigrance(2019) の最後に納められたこのしっとり切ない曲から本作は始まる。
Michael League のモロッコ好きが丸出しになったエキゾチックで素敵な曲。

Tr.1-4 Alma
2007年の The World is Getting Smaller に納められた曲。
リズムに技巧的な仕掛けがされており、ブラジル+ファンクなのだ。
ぼーっと聴いていても爽やかで楽しいのだが、細部を聴き込めば聴き込むほど、玄人の仕事っぶりにただただ唸るばかり。

Tr.2-2 Xavi
Immigrance(2019) のある意味ハイライト的な曲。
畳み掛けるようなダイナミックなアンサンブル、いわゆる変拍子では無いものの多義的に変化する12/16のリズム。この12ってのは、2×6にも3×4にも4×3にも変化できるので面白いのね。
実際、8:14あたりから客席の手拍子が始まるのだが、その手拍子は音符3つ毎に束ねた1小節4拍のリズム(つまり3×4)で打っている。これは恐らく Michale League あたりが客席を促してそのリズムで打たせているのだろうね。そしてバンドの方は1小節6拍(表裏で数えると12拍)のグルーブ(つまり2×6)で演奏しているので、客の方がまるで裏打ちというかメトリックモジュレーションをしている(させられている)ような感覚になるわけだ。あーこれは客席で参加したいな。

Tr.2-4 Sleeper
We Like It Here(2014)に収録された彼らの代表曲の一つ。
イントロに続けて始まる Shaun Martin の Talk Box (Moogの音を口の中で鳴らしてマイクで拾う)がソウルフルで素晴らしい。Stevie Wonder とか Jeff Beck とかが使って流行らせたやつね。昔は Talking Modulator とか呼んでいた。この曲では、もう最初から最後までこの Talk Box が大活躍する。そして8:44頃からの Jason Thomas(ds) と Shaun Martin のバトルで涅槃に行ける。
演奏が終了した後、客席の物凄い熱狂ぶりが1分以上にも亘って収録されているのも面白い。

Tr.2-5 Shofukan
これも We Like It Here(2014) 収録の代表曲の一つ。
Mark Lettieri(g) のロックっぽいギターが聴きどころ。
6:23頃から、メインテーマを客席が歌い始めるのが楽しい。
パーカッション隊のご機嫌なパートを通過し、9:00頃からまたまた客席大合唱。
そして、Mark Lettieri がもうそれはそれは楽しそうに(想像ね)ワウを踏んでジミヘンを弾き始める。
いやあすごい。こんな Jazz バンド他にいないよね。

0

コメント

タイトルとURLをコピーしました