Sena 50S のバッテリー交換

※最初にお約束のことを書くが、この記事は本来ユーザーが分解することを想定していない機器を分解して、本来ユーザーが実施することを想定していないバッテリーを交換する方法について書いている。
慣れない人が作業した場合、元に戻せない、動かなくなる、発火する、防水性が劣化して故障する等のトラブルが生じる可能性は決して低くない。
どうしても行いたい人は、あくまでも自己責任でね。

僕のヘルメットには、マスツー時の相互通信用及びソロツー時に音楽を聴くためにインカムを装着している。
機種は Sena 50S だ。
(上の画像:カモ柄になっているのは通販で購入したデカールシールを貼っているから)
2021年11月に購入し、2年と4ヶ月経過。
ほぼ毎週使用してきたので、そろそろバッテリー劣化が激しい。
購入したての頃は、早朝にフル充電で出かけて、午後3時くらいに Low Battery のアラートが出る感じだったのだが、最近は出発後3時間足らずでアラートが出るようになってしまった。
そこで重い腰を上げてバッテリーを交換することとした。
やり方は多くの先駆者達が動画等で上げてくれているので、それを見ながらやればよろしいのだけど、いざやってみると少し面倒な部分があったので、BLOGに記録しておくこととした。

使った道具は上の画像程度。
左上から50S本体、シリコングリス(防水用に使ってみたが気休め程度)、精密ドライバーセット(1本無くして欠員中)、ピンセット各種、ヘヤードライヤー、下段にあるのが交換用電池。
まずこの交換用電池だが、型番は102540。DC3.7Vで、1150mAhのリチウムポリマー(LiPO)電池。
元の電池が1000mAhなので、15%程度の容量増加になるのはありがたい。
特にインカム専用というものではなくて、各種の電子機器に使われる汎用品。
流通しているのは、ほとんどが中国製。
僕は国内のAmazonで2,600円ほどで購入したが、AliExpressあたりで買えば少し安い。
送料や納期も考慮してお好きな方法で購入されたし。
なお僕が購入した電池には、コネクタを(元の電池から外してはんだ付けし)交換する場合に備えて、熱収縮チューブが付属されてきたが、幸いコネクタが元の電池と同型だったのでその作業はせずに済んだ。

さておもむろに分解するぞ。
ネジは7本あるのだが、上の画像の赤丸5箇所のところが太めのネジ、青丸2箇所のところは細めのネジになっている。
間違って入れてしまう心配は無いと思うが、参考にされたし。
防水のためのシリコン樹脂がネジに塗布されているが、気にせずネジを外せばよし。

柄に似合わず几帳面な僕は、50S裏側の絵を描いて、外したネジをその位置に置いたりしているけど、そんなに気を使う必要は無いよ。(この後ヘヤードライヤーを使ったときにネジが全部吹っ飛んだのは内緒だ)
ドライバーでネジを緩めても、頭がそれほど出てこないので、プラスチックケースからネジを抜き去るのは少し大変。ネジを残したままケースを外し、後からネジを回収しても大丈夫だ。
さてネジ7本を外した後は、表側(ジョグダイヤルがついている方)ケースをゆすりながら引っ張れば簡単に外れる。

さて、先駆者達の動画を見ると次はまず端子盤(ヘルメット側に取り付けたホルダーに接触するコネクター)を外し、その後に基盤を外しているのだが、僕はこの状態で端子盤を外すのがどうしてもうまく行かなかった。
精密マイナスドライバーやピンセットの先端等で端子盤を剥がそうとしても、なかなか隙間ができないので先端が入らないのね。
そこで、先に基盤を外すことにした。
上の画像の基盤上に描き込んだが、下端の緑丸の裏側に端子盤と繋がっているピン(電極)が並んでいる。
このピンの形状はL型になっていて、基盤から垂直下方向に出たピンが90度下(上の画像で)に曲がって、端子盤に刺さっている。
そこで、この緑丸のところを指で押さえてあまり動かないようにしつつ、基盤の(画像の)上の方を手前に起こして(つまり基盤を立てるようにして)外しながら、このL型のピンを抜くことができるのだ。
その際、赤丸のところにアンテナ線のコネクタがあるので抜かないことと、青丸2箇所のところにコネクタがあるので少し力を入れて抜く必要があることに注意されたし。

無事に基盤を抜くことができた状態が上の画像。
基盤裏側の下端にL字のピンが並んでいるのがわかるだろうか。
端子盤はまだケース側に残っている。
試しにこの状態で、再び基盤をそのまま戻すことができるかどうかやってみたが、どうやってもL字ピン群を端子盤に刺すことができなかった。それができれば電池交換が少し簡単になるんだけどね。

まずは電池のコネクタを抜き、電池を取り去る。
両面テープで固定されているので、バリバリと取っちゃっていただきたい。
次に端子盤を外す。
こいつは両面テープ的なもので接着されているので、まずヘヤードライヤーで温めてから、プラスチックケースの内側からピンセット等で外に押し出すように力を入れてあげると、接着が少し剥がれて隙間ができる。そこに何かを差し込んで慎重に剥がせばOK。
先に基盤を外すと、この「内側から押し出す」ワザが使えるというわけだ。

後は簡単。
新品の電池を入れる。まずコネクタを差し込んで、電池本体を適当に収めるだけ。
僕は元の電池と180度異なる向きに入れたが、電線の取り回し等を考えてお好きなように入れればよろし。

基盤を取り付ける。
先の画像に描いた青丸の位置2箇所にコネクタがあるので、それを差し込むだけだ。
次に端子盤をL字ピンに差し込みつつ元通りに貼り付け(粘着テープを更新せず残っていた糊をそのまま使用した)、電池のあたりの基盤をぐいぐい押して全体を馴染ませる。
この状態で一度、電源を投入してLEDが正常に点灯するかどうか確認したほうがよろし。
後はこのまま表側ケースを取り付けてネジを締めれば完成だが、折角なので?上画像のケース周囲の白い防水パッキンの上に薄くシリコングリスを塗布してみた。
一度ケースを開けてしまうと、どうしても細かい隙間ができてしまう場合があるので、その隙間を埋めて防水性を確保する・・・という狙いなんだが、まあ気休めかも。
あと、画像の上にあるメッシュのアンテナには要注意。
このアンテナを立てた状態でケースを取り付けてネジを締めると、アンテナが閉じなくなるぞ。
閉じた状態でケースを閉めてくだされ。(経験者談)

作業完了したところで50Sをヘルメットに取り付け、電源投入してボイスが正常に聞こえることを確認。
スマホアプリで電池残量を見ると86%だったので、しばらく充電したところ100%になった。
これにてバッテリー交換作業は全て完了。

結局、若干難しいのは端子盤剥がしの部分だ。
それ以外はネジを外したり、コネクタを抜き差しする程度。
動画サイト等で紹介されている方法で端子盤をうまく外せればそれで良し。
なかなかうまくできなかった場合は、ここで紹介した「先に基盤を外し、端子盤を中から押し出す」方法もご参考にしてくだされ。

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