R1200Rパニアケースリッドの再々塗装(DIY)

R1200R用のパニアケースの蓋部分(リッド)の塗装については、以前にも当BLOGに記事を書いた。
当初(バイク購入時)はグラナイトグレーの塗色だったのだが、バイクのボディー色に合わせて板金屋さんでライトホワイトに再塗装してもらい、3年ほど経過。
その間、立ちごけしたり、駐車場の金属ポールに擦ったりで、塗装面がかなり傷ついてきたため、再々塗装を決断した次第。
前回再塗装をお願いした板金屋さんに再度持ち込むのがベストなのは間違いない。
でも何だかDIYの虫が騒いでしまい、自分でやってみたくなっちまったのね。
ということで、以下、リッドの外し方・取り付け方と塗装工程について少し詳しく書いてみる。

リッドの外し方

まずパニアケースを開き、ボディーとリッドを繋いでいるゴムベルト(連結ワイヤー)のリッド側を外す。ネジはトルクスT20。
続いて、リッドについている黒い樹脂製ロック部(ボディー側と噛み合って蓋を閉めるもの)を外す。ネジはリッド内面側に2つ、ロック側面に2つ、全てT20。
次にリッドの底面にあるT20のネジ5本を外す。
これでボディーとリッドを分離できるのだが、大変なのがここから。
ボディー側と蝶番で繋がっている黒い樹脂部品が、リッドの内側に噛み込んでいるのだが、この噛み込みを外していく。
まずは外した後の画像を見ていただきたい。

赤い矢印で示したところにある出っ張りが、左側にあるボディー側部品と噛み合っている。
これをどうやって外すかと言うと・・・、無理やり捻るのだ。
左側のボディー部に左足を置いて固定し、両手で右側のリッドを掴んで左右に(画像で言うと上下)捻る。かなり無理やり、力を入れて、捻る。すると「バキッ!」というすごい音とともに噛み合いが外れる。
最初はどうしてもビビると思うが、所詮は欧州人の作ったアバウトな商品。精妙さのかけらも無いかわりに、意外と頑丈だから大丈夫だ。

再塗装

まずは旧塗装を剥離しつつ、傷のところを滑らかに削っていく。
サンドペーパーでやるのは大変なので、オービタルサンダーを使った。
こういうやつね。

まずは#120のペーパーを付けて、リッド全体を剥離する。
傷のところは少し広めに削って平らにしていく。
旧塗装を完全に落とすのは相当に大変なので、傷の無いところは表面を研磨する程度にした。
その後、#240、#320、#400、#600と番手を細かくしていきながら、全体を研磨するとともに、次のプラサフ用の足付けを行っていく。
#600が終了したら、中性洗剤で全体を洗い、乾燥し、その後脱脂する。この時点の画像が以下。

黒っぽいところが、傷を修正するため深めに削ったところ。白い塗装膜の下のグラナイトグレーや、さらにその下の樹脂素材の色が出ている。

さて、ここから楽しい塗装のお時間だ。
まずはプラサフ(プライマーとサーフェイサーを兼ねる下地)を吹き付ける。使ったのはホルツのプラサフホワイトMH1103。
一昼夜ほど置いて乾燥させてから、サンディングブロックに水研ぎ用紙やすりを巻いて手作業で研磨していく。
最初は#1000で、その後#1500で仕上げる。

このプラサフ層の上に本塗装を行っていく。
使った塗料はホルツMINIMIXのBMW B15 Light White MMX05251だ。4輪用なのだけど、僕のバイクの塗装色にも合致しているよ。
本塗装は3回くらいに分けて塗り重ねていく。
最初は薄めに塗装し、十分乾燥させてから、#2000で水研ぎしてツルツルにする。
2回めは少し厚めに重ね、十分乾燥させてから、#2000で水研ぎ。
3回めは更に厚めに重ねていき、十分乾燥させてから、#3000でじっくり水研ぎ。
最後の仕上げで、クリア(ホルツクリアMH11604)を塗装し、#3000で水研ぎ。更にクリアをもう一回塗装し、#3000で水研ぎして完成。
更にコンパウンドで磨くと良いのかもしれないが、まあこのくらいにしておく。
あと、塗装面の保護のためにプレクサスで磨いて仕上げた。

前回、板金屋さんにお願いしてやってもらった塗装とは比べ物にはならないが、まあまあかな。
一通り塗装を経験しておくと、今後小さな傷が付いても自分で気軽に部分塗装できるので心強い。

リッドの取り付け方

さーて、ここからが最も大変なパートなのだよ。
パニアのリッドは外すときも大変だったけど、取り付けるのはその10倍くらい大変なのね。
上手な取り付け方を見出すことが未だできておらず、毎回試行錯誤で取り付けているのだけれど、その方法を文章にすることも困難なのだ。
まずポイントは、外すときと同様、ボディー側部品と噛み合うところの嵌め込みだ。
ボディーを左足で踏んづけて、ボディー側部品を上に、リッドをその下にあてがい、前後左右にグリグリと動かして嵌め込んでいく。
外すときには力任せに捻って外したわけだが、嵌め込む時にはうまく力が伝わらないので難しい。

上の画像は既に嵌め込み成功してしまった後なのだが、いつも苦労するのが画像中の青矢印と緑矢印の3箇所。
青矢印のところは、強く押し込んで嵌め込みする必要があるのだが、ボディーとの隙間が狭くて難しい。
僕は、一旦蓋を閉じて、パニアを逆さに置き、底面(つまり青矢印のところが上に来ている)を思いっきり叩いて嵌め込むようにしている。
それでも入らない場合は、金属(僕はペーパーナイフを使用)に布を巻いたものを画像の青矢印の左にある狭い隙間に入れて、蓋を閉じるように動かす。するとリッドが押されて嵌め込まれる。
あと緑矢印のところが最後に浮いてしまう(嵌め込みが入っていない)場合が多いが、もうそのときは布を被せてウォーターポンププライヤーで無理やり締めてガチッと噛ませるとうまくいく。
まあそんな感じで、アバウトに野蛮にやるとなんとかなるよ。

てな感じで、何とか元通りに組み上げ、パニアケースリッドの再塗装は完了した。
板金屋さんに頼めば塗装のところは数万円程度で上手にやってくれると思うが、リッドの取り外し・取り付けは自分でやるしか無い。ところが世の中にはその方法について書かれたサイトがとても少ないので、一応は詳しく書いてみた次第。
動画でも撮ればもっとわかりやすくなるのだろうけどね・・・。
すごく大変だけど、やってみたい人は頑張ってくださいね。

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