Jeff Berlin 温故知新シリーズ第7弾。
もうあと3作程で終わるから頑張ろう。
アルバム名の Ace Of Bass は日本盤だけで、日本以外では Aneurythms という名前で出しているらしい。これが例によって日本人にはわかりづらい言葉遊び(心地よく調和しねえとかそんな意味か)なので、わかりやすい名前にした・・・のかな。
前々作 In Harmoney’s Way(2001) から前作 Lumpy Jazz(2004) と続いたトラッド4ビート Jazz路線をそのまま続けるのかと思いきや、メンバーも一新してちょいとフュージョン寄りな曲調にしてきた。とは言え過去の弾きまくりバリバリテクニカルフュージョンではなくて、もう少し落ち着いてお洒落な感じで。でも、Jeff Berlin師匠の脱力系ユーモア精神に惚れ込んだファンの期待を裏切らないこのジャケット画像の見事なお姿とか、一部の曲のがっかりするようなタイトルとか、もう全然お洒落じゃないし、売る気も無いでしょという感じで実に楽しい。
参加メンバーだが、Jeff Berlin(el.b) / Brian Bromberg(ac.b) / Ganin Arnold(g) / Vinnie Colaiuta(ds) / Otmaro Ruiz(kbd) / Richard Drexler(p) の皆様。
Brian Bromberg はプロデュースもしている。
Vinnie は Fusion 界を代表するテクニカルな名ドラマーであるが、本作では何故か大人しくお仕事モードだ。
Richard は前作、前々作にも参加してbとpを引いていた常連だが、本作ではpのみ。
Tr.1 Porky & Beans
この曲名って多分 Porgy and Bess のもじりだと思うんだが、もしそうだとしたら神をも恐れぬ不埒な行為だと思うぞ。ガーシュインに謝れ~。
Pork and Beans はお料理の名前でしょ(ため息)。
もー最初からこれだから、この人のアルバムは一瞬たりとも気を抜けない。
曲そのものにはガーシュインっぽさは微塵もなく、Scott Kinsey とか登場しそうな軽快で少しおバカっぽいフュージョン。
Tr.2 Copeland
有名な作曲家の名前かと思ったがあっちは Copland だから、この曲名は誰のこと?
薫り高い p のフレーズから始まる素敵な曲。ちょっと昔の Dave Grusin とかその手のフュージョンを思い出す。
流れるような Jeff のbソロが美しい。
続く Ganin Arnold のgソロもきれいな音で素晴らしい。
Tr.4 Ars Longa Vita Brevis
曲名はヒポクラテスの書いたお言葉らしいが、芸術(の道)は長く人生は短いという意味らしい。
過去のアルバムでもバッハ等を弾きこなしてきた師匠だが、この曲は自作。クラシカルな曲調が素敵。
Tr.5 Miss Management
曲名は、マネージメントの失敗(mismanagement)と引っかけているのだと思うが良くわからん。
レコード会社の女性幹部とかに恨みがあるのかね。
曲そのものはうっすらとラテンフレーバーがかかったお洒落で素敵なフュージョン。
クラブでゆったり聴きたい曲調。
Jeff はあまりブリブリ弾かずバッキングに徹している。
Tr.6 Justibofidus
比較的まったりした曲が多い本作の中で、割と熱量高めの曲。
ギターの Gannin Arnold が大活躍。
ディストーションの音がちょっと懐かしい感じで、どことなく Tony Williams Lifetime とか思い出してしまう。(Snake Oil とかね)
曲名は意味不明。
Tr.7 A Mark You Remade
師匠、この曲名はあかんでしょ。
皆様ご存じ A Remark You Made のもじりだ。何てことを・・・。
曲調も思いっきり Jaco っぽく作られている。フレーズの端々に Jaco 的な断片をちょっとずつ挟み、もうやり方が確信犯なのね。
お互いを尊敬し、共演歴もある偉人同士だから許されることなのかもしれないが、怒る人もいるかもしれない。僕はニヤニヤしつつ美味しくいただきましたが。
Tr.8 Lapp Dance
Champion(1985) あたりのファンが最もグッときそうな曲調。
哀愁をおびた美しいフレーズ、さり気ない変拍子、そして流れるような師匠のbソロ。
何やら妙なユーモアの可能性を感じる曲名(何故ラップ人が登場するのか?)は気にしないで聴こう。
Tr.9 Don’t Be Happy, Worry
一般的な「悩むな、ハッピーで行こうぜ!」とは真逆な曲名。「悩め!」とな。
曲調も不気味で悩ましい?感じ。
Vinnie と Jeff が跳ねたリズムで見事に絡むのだけど、どうせだったら Vinnie の手数もいつも通り多めにして欲しかった。ちょっとおとなし過ぎ。
Tr.10 Bass Boys
曲名通り、二人のbプレーヤーの共演が聴きどころ。
Vinnie(ds) / Brian(ac.b) / Jeff(el.b) の3名での演奏。
Brian Bromberg って上手いんだね。
Richad Drexler が本作ではbを弾かせてもらえなかったのも仕方がないかな。
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