Nine Inch Nails – The Downward Spiral(1994)

Nine Inch Nails (NIN) は、バンドあるいはプロジェクトと言うよりも、Trent Reznor 個人が自宅録音みたいなやり方で作っている作品群らしい。ライブではメンバーを呼んでバンド形式で演奏するが、アルバム作りはほとんど彼の脳内から音を拾い出す作業のようだ。
僕は、 本作リリース当時、何の基礎知識も無く何故か近所のCD屋で魔が差したように本作を買ってしまった。購入に至った理由は不明だけど、ジャケットから何やらヤバイ電波を感じて手に取ったのだ。
購入後、恐る恐る聴いてみたが、ほとばしる病的な何か、不健康でべとつく何か、キリスト教徒ならば悪魔的と言うような何かがどうにも耐えられず、しばらく封印していた。
しばし時を置いてある日試しに聴いてみたら、何と一気にのめりこみ、それからしばらくはこればっかり毎日のように聴いていた。聴きなれてしまえば、音自体はヘビーなインダストリアルロックに過ぎないのだが、でもやっぱりかなり病的だよね。
因みに、後日奥さんに聴かせてみたところ、激しいとは思うが、病的なところは特に感じないという。もしかしたら僕にはこの音に呼応する病的傾向があって、この音を本能的に避けようとしているのかなとも思う。

Tr.1 Mr. Self Destruct
しょっぱながこれだからキツイ。ビット数を落としたような Lo-Fi 化されたサウンドが荒々しく、ボーカルは何やら怖いことを叫んでいる。この荒々しいパートと、不気味な静かなパートが交互に訪れる。

Tr.3 Heresy
相変わらず怖いことを叫んでいるのだが、曲はとてもかっこいい。特に ds (プログラミングだと思う)のサウンドが良いね。背景でこもったように鳴っているパッド音なんかも、彼独特の音像だ。

Tr.6 Ruiner
ちょっと軽薄な感じの ds パターンから入るが、0:50あたりからブラスっぽいシンセが鳴り響き、焦燥感と絶望に駆られたような世界になっていく。

Tr.10 A Warm Place
曲名通り暖かい美しいメロディーなんだが、こもった音で、切なく、そしてどこか不健康だ。胎内願望を思わせる。スタジオにこもってこういう曲を作っているのって、ヤバイ気がする。

Tr.11 The Downward Spiral
何かがぐるぐる回って、果てしなく落ちていくような音。それを背景に、美しいギターの音。こもった狂気の叫びと、頭に向けてガンの引き金を引くことについてのつぶやくような語り。

Tr.12 Hurt
メインパートはギターとボーカルだけでシンプルに静かに歌われる。
強い喪失感に満ちた曲だ。

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