The Who – Who’s Next(1971)

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この Blog には、リリース年別インデクスという、何に使えるのかさっぱり不明な機能が設けてあるのだが、まだ埋まっていない(その年にリリースされたアルバムをレビューしていない)年を見つけてレビュー対象を決めるという楽しみを思いつき、最近ちょくちょく実践している。
今回は1971年。
実はこの年は結構な当たり年で、Soft Machine の Fourth とか、Caravan の In the Land of Grey and Pink 等の Canterbury Music の名盤や、Led Zeppelin IV とか EL&P の Tarkus 等のロック史的名盤が数多くリリースされていて、むしろ書く対象を絞るのに苦労するほど。しかしそれらの名盤を後回しにして、唐突に The Who の名盤を取り上げることにする。

僕は熱心な The Who のファンではない。それどころか、元々彼らの音楽にあまり興味は無く、アルバムも実は本作しか持っていない。ところが、若かりしある日、ラジオで流れてきた Won’t Get Fooled Again のイントロの未来的なサウンドに完全にノックアウトされて、この曲を聴くためだけにアルバムを購入したヤカラなのだ。
本作から Terry Riley の名前を知ってそっちも聞き始めた人も多いと思うが、僕はその逆、元々 Terry Riley が好きで、彼の真似っ子サウンドを大々的に取り入れたこの曲に反応してしまったということだろう。
後に、BBCか何かで放映された本作のMaking映像を見た際に Pete が実に真っ正直に説明していたが、Terry Riley が気に入ったのでそのサウンドを取り入れたとのこと。
なので購入直後は、Tr.1 と Tr.9 ばかり聴いていたのだが、アルバムを通して聴くうちに次第に他の曲の魅力にも気づいてきた。既に50年近い過去に作られた音楽なのだが、今聴いてもモダンな仕掛けが色々見つかって、なかなか興味深いよ。

メンバーは、Roger Daltrey(vo) / Pete Townshend(g, org, syn) / John Entwistle(b, brass) / Keith Moon(ds, perc) の4名。曲により、バイオリンとピアノがゲスト参加している。
Roger は唾を激しく飛ばしながら歌うので有名。コロナ禍の現在では絶対にライブが許されないボーカリストだろうな。マイクロホンのケーブルを持ってぶんぶん振り回すアクションも有名。
Pete は作曲、ギター、オルガン、ピアノと大活躍。Roger のアクションに対抗して?、右手を風車のように振り回しながらギターをかき鳴らすプレイが有名。布袋氏とかも真似しているよね。
John は電気工作とかが得意な人で、自作のベースもいっぱい持っている。中にはシャツと一体化した変なベースとかもあったな。
Keith はキ○ガイドラマーの代名詞みたいな人で、ボーカルパートや他の楽器のソロパート等でもお構いなしに全力で高速に叩きまくる。もちろんテクニックはピカイチ。今で言えば Terry Bozzio か。
とまあ、特にファンでは無いはずの僕であってもこの程度のことは知っているのだから、やはり The Who は歴史的ロックバンドなんだなあと思うぞ。

Tr.1 Baba O’Riley
曲名の Baba は Pete が傾倒していたインドの瞑想家、Riley はもちろん Terry Riley のこと。
アナログシーケンサーを使って Arp シンセサイザーに短いフレーズを反復演奏させ、それを多重録音しているのだと思う。
Wikipedia に Pete による説明が引用されていた。聴衆のなかから一人選んで、その人の身長・体重等をシンセにインプットすると、その人間のパターンからシンセが音符を選び出すとのこと。この頃のシンセもシーケンサーも完全アナログなので、身長・体重を数値で打ち込むという意味では無いだろう。例えば10までの目盛があるノブ(例えばLPFのCut-offとか)を4にセットするとか、それをあちこちのノブを並べて4桁の数値とか2桁の数値とかを当てはめていったんじゃないかな。
因みに、イントロのシンセの後から入ってくるピアノも Pete が弾いている。まあ単純なバッキングだけだけどね。
更に因みに、歌詞の中でたびたび歌われる Teenage Wasteland ってのが、この曲の元々の曲名だったらしい。
3:40頃から曲調が変化し、素敵なバイオリン(Dave Arbus)が入ってきて民謡っぽくなるのが楽しい。

Tr.4 My Wife
この曲だけ、John Entwistle が書いている。ちょっとビートリーな素敵な曲。
バッキングのピアノも John が弾いているようだ。
聴きどころは 1:30 あたりと 2:50 あたりからのブラスによるリフ。このブラスも John が吹いているらしい。何と芸達者な。そして何とモダンで古びない音なんだろう。いつ聴いてもかっこいい。

Tr.5 The Song is Over
Pete による爽やかな曲。ピアノは名手 Nicky Hopkins が弾いている。
ダイナミックな Keith のドラミング、ツボを押さえた John のテクニカルなフレージング、今聞いてもほんと勉強になるよ。

Tr.6 Getting in Tune
Pete によるややブルージーな曲。
この曲もピアノは Nicky だ。Jeff Beck Group 等でおなじみの素敵な音。
終盤に盛り上がり、Keith の乱れ打ちが楽しい。

Tr.9 Won’t Get Fooled Again
さてお待ちかね。
イントロはまんま Terry Riley を(A Rainbow in Curved Air とかね)真似たリスペクトしたサウンド。
メインパートに入って、Keith と John のリズム隊によるドライブ感が凄い。特に Keith はもう止まらない、止められない感じ。
6:35 から再び Terry Riley リスペクト。眼前に涅槃が広がる。
そして Roger の雄叫びとコンパクトなエンディングでかっこよく終了。
うーん、やはり名曲だな。

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