XTC – Oranges & Lemons(1989)

Dave Gregory が Big Big Train に参加していることもあって、リアルタイムにはあまり興味を持てなかった XTC を何枚か購入して半ば勉強のために聴いているのだが、なかなか面白い。The Talking Heads あたりはリアルタイムに喜んで聴いていたので、XTC も聴けば良かったのにね。
で、勉強で仕入れた中で最も気に入ったのが本作。
奇妙な、はっちゃけたポップ感が満載で、音は隙間が無くぎっしりと職人芸。聴けば聴くほど、後ろのちょっとしたフレーズも油断ならない。僕が心から尊敬する Trevor Horn 大先生のような、危険なポップだ。
大英帝国の陰りやら陰影やらは微塵も無いが、ヒネリや変な歌詞がいっぱいで、これも確かにいかにも英国風だ。

Tr.1 Garden of Earthly Delights
これって、The Talking Heads でしょ?としか思えてならない。Adrian Belew の g とか持ってきたら絶対合うと思う。
ds と b が楽し気にズンドコやってて、後の世に言うところの Tribal 感満載。
Andy Partridge の声って、血圧高そうだ。

Tr.2 The Mayor of Simpleton
楽しく歌う変な歌詞。英国御用達の伝統的ギターポップの体裁だが、ちょっと Todd Rundgen 的な妙にイタズラっぽい雰囲気あり。(本作に Todd はまだ絡んでいない)

Tr.9 Merely a Man
「ハ~イヤ~」の掛け声から、ズンドコ節が始まる。背後でいっぱい鳴っている変なギターフレーズの遊びが面白い。

Tr.15 Chalkhills and Children
最後の曲らしく落ち着いてしっとり。柔らかいオルガンと b の音、ちょっとエコー深めの音像、フェードアウトで余韻たっぷりに終わる。

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