Peter Gabriel – Scrath My Back(2010)

カバー集なのだが、全曲、ボーカルのバックはほぼストリングスのみ(一部ピアノもあるが)という驚異の構成。
そのストリングスアレンジが素晴らしい。2002年のアルバム “Up” でも一部の曲に大胆なストリングスを導入して度胆を抜いてくれたが、使い方が本当に上手いと思う。
さて、御大に限ってただのカバーなんてやらないだろうとは思っていたが、聞いてみてあらためてその強烈な「オリジナリティー」にただただ驚く。素材が他人の曲であっても、名人が料理すると完全に自身の作品になるのだなあ。
なお、Special Edition は、Remix版が4曲収録されており、違いが楽しめてお得。

Tr.1 Heroes
ご存知 David Bowie の名曲を驚くべきストリングスアレンジで再構築。
サビのところは、San Jacinto の高揚感とも通じるものを感じる。

Tr.5 Listening Wind
Talking Heads の Remain in Light から。もともと曲想的にストリングスに乗せやすい気がする。

Tr.8 Book of Love
この曲には完全にノックアウトされた。月並みな表現しかできずもどかしいが、心に沁みる佳曲。一遍の短編映画を見たような感動を覚える。

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