Marco Sfogli – Homeland(2019)

イタリアのバカテクギタリスト Marco Sfogli のソロアルバム、2019年リリース。
今年(2023年)リリースされた “Welcome to Ooglyworld”、それから2012年リリースの “reMarcoable” とあわせて Bandcamp で大人買い。
ジャンル名で言うと何だろうね。Tech Progessive Metal Fusion とかなんかそういう感じの系統(適当です)かと思うが、曲調的には Jazz の要素は少なめで、どちらかというとカラッとした Joe Satriani 風の Rock だ。

メンバーは曲毎に異なる。
Marco Sfogli は g と kbd を全曲で演奏。作曲も全て彼。
b には盟友 Andrea Casali(Tr.1, 2, 6, 9)、Franck Hermanny(4, 8)、Lorenzo Felisiati(3)、そしてTr.7では Marco Sfogli 自ら弾いている。
ds には、Erik Tulissio(6)、Roberto Gualdi(2, 4, 5)、Salvyo Maiello(1, 8, 9)、そして今回の目玉商品 Simon Phillips 大先生が Tr.3 にて登場。
kbd には、PFM→BBTの Alberto Bravin(Tr.9のintroのみ)、盟友 Alex Argento(6, 8)が参加。

Tr.1 The 12th Hour
いかにも Virgil Donati 大先生が参加していそうな曲調なんだけど、ドラムは Salvyo Maiello だ。
ちょっとSFチックな kbd が素敵で、いかにも Alex Argento が参加していそうなんだけど、Marco が自分で弾いている。
そして b は盟友 Andrea Casali だ。
つまりたった3人で、この壮大で絢爛豪華な曲を演奏しているよ。
ちなみに英語慣用句で 11th hour と言うと、期限ぎりぎり、あるいはもう間に合わねえみたいな意味なんだけど、12th hour になっちまっているので、期限過ぎちゃったんだねぇ。

Tr.3 Get Away With It
本作ではこの曲が文句なしのハイライト(というか集客ネタ)でしょ。
Simon Phillips(ds) 大先生降臨。
もう打楽器が歌いまくり。
重戦車のようにパワフルなリズムなんだけど、スネア・タム・シンバルは羽根が舞うように軽やかに歌う。
作曲は Marco なんだけど、かなり Fusion 風味。それも少し懐かしめの。
Protocol とか好きな人には絶対におススメ。
というか、Protocol に Marco が参加する方向には話が発展しなかったのかねぇ。

Tr.4 Dawn
これって Joe Satriani だよねぇ?
Joe のアルバムで絶対聴いたことあるよねぇ?
いえいえ Marco 作のオリジナル曲なんですって。
ゆっくりめに伸び伸び弾いてくれているので、これはギターキッズの練習曲として最高だと思うぞ。
パブリッシャーの JTC Guitar のサイトで TAB 譜もダウンロードできるぞ。(有料)
とにかく音色が美しくて惚れ惚れするよ。

Tr.9 Inner Light
イントロのピアノは Alberto Bravin が弾いているようだ。
この曲だけは Marco ではなく、オーストラリアンのギタリスト Chris Brooks の作曲。
豪州らしい雄大な曲調、Brett Garsed 的な。
この Chris Brooks さんも、どちらかというと教則本を多数出しているシュレッディングギター教師的な音楽家。
Marco のプレイも、TAB譜を見ながらなぞりたくなるような、まさしく教科書的な素晴らしい演奏。

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