Uncle Moe’s Space Ranch – Moe’s Town(2007)

梅雨っぽい天気のためか、朝から何となくおバカっぽいCDばかり聴いている。
Uncle Moe’s Space Ranch は、ハードフュージョン系売れっ子ミュージシャンが集まってでっちあげたおバカっぽいプロジェクト。本作は彼らの2作目。
メンバーは、Brett Garsed(g) / T.J.Helmerich(g) / Gary Willis(b) / Scott Kinsey(kbd) / Dennis Chambers(ds) の5名。曲によりゲストの Djemel Chergui(electronics) が加わる。そして一曲だけ Virgil Donati(ds) が参加して暴れるのは前作と同じ。
Tribal Tech あたりが好きな人なら是非聴いてみていただきたい。但し、Tribal Tech 同様にスリリングなハイテクフュージョンではあるが、全体にうっすら満ちたおバカな雰囲気、脱力系お笑い曲名、売る気を全然感じられない変な曲等がバリアーとなって、リスナーを選びそう。僕は大好きなんだけどね~。

Tr.1 Valentimes Day
一応、曲名について触れておくが、これはミススペルでは無い。いわゆるバレンタインデーだけど、nじゃなくてmなのね。これって、米国社会に広く蔓延している比較的有名な「言いまつがい」の類で、おバカっぽいというか、あったま悪い感じらしい。
曲自体は、おバカっぽい変なリフが気になるが、各メンバーのソロを順に聴いていると幸せになれる。特に Brett のレガートなソロが最高。そして最後の方に T.J. のぶっ飛んだソロ。

Tr.2 Moe’s Town
一応アルバムタイトル曲なんだが、全然売れ線じゃない。
ゆったり目のリズムで、ややファンキー。如何にもデニチェンが大活躍しそうな設定なんだけど、淡々とお仕事をこなす大人なデニチェン。
Brett はスライドを使って、ややダウントゥアースな雰囲気のフレーズを弾いている。続いて T.J. による変な音のオンパレードで曲が終わる。まあいつもの展開だな。

Tr.3 Ella’s Hotel
打って変わってアップテンポの軽快なロケンロール。
とっても楽しそうに仕事をこなすデニチェン。
Brett と T.J. の超高速ソロは、かなり変態的なフレージングなのだけど、流れるようにレガートに弾くので変態感が少なめに感じられる。

Tr.4 Audio Rhumba
いきなりテクノだ。
何故この面子でテクノをやるのかも曲名も何もかも意味不明で怪しいんだけど、普通に楽しい曲。
3:06、Brett がソロで切り込んできていつもの曲調の通常営業になる。

Tr.5 Dads Speakers
これもアップテンポのロケンロール調だが、Scott 色やや強し。
デニチェン楽しそうに伸び伸びプレイ。
Brett がソロで切り込んできていつもの曲調になるのも、いつもと同様。

Tr.7 Snout!
曲名は「鼻」・・・。何だかしみじみとおバカだ。
ユニゾンで、スリルとサスペンスっぽいテーマを弾いて怪しい世界を作っている。
2:55からちょっとD’n’B的クールな曲調にシフトし、Brett の生っぽいソロ。
その後、Brett と T.J. のレガートソロに続くのはお約束。
目まぐるしい曲展開で飽きない。

Tr.8 Path to Aesthesis
Scott の作曲。Weather 風の心地よい変態フュージョン。
Joe Zawinul がボコーダーか何かで登場しそうなタイミングで、T.J. が変音のソロを弾きまくるのだが、これが意外に雰囲気にピッタリ合っている。

Tr.9 Nitro Squirrel (Multiple Moe)
この曲だけドラムスが Denis から Virgil Donati に交代。
もう最初っからド変態メトリックモジュレーションの嵐。
曲名はニトロでパワーアップしたリスだ。リスさんだよ・・・。
ディストーションギターのリフが延々と続き(サンプリングループかも)、それをバックにひたすら Virgil が一人で暴れまくる。まあ要するにほぼドラムソロだ。わざわざ先生をゲストで呼んできて、ソロで叩かせるという、全く意味不明なことをするのがとっても素敵。

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