70年代後半を代表する英国の Jazz/Rock バンド Brand X が初作 Unorthodox Behaviour(1976) 、第二作 Moroccan Roll(1977)に続いてリリースしたのは、恐ろしいほどの緊張感が溢れるライブアルバム。
メンバーは、Percy Jones(b) / Kenwood Dennard(ds) / Phil Collins(ds) / John Goodsal(g) / Robin Lumley(kbd) / Morrice Pert(perc) という方々。Kenwood は、Tr.1とTr.6のみ。他は Phil が叩いている。
Brand X のアルバムは名作揃いだが、1枚挙げろと言われたら本作を推す。異常なほどのテンションと、英国勢らしい陰りに満ちた素晴らしい音を聴くことができる。
Tr.1 Nightmare Patrol
僕の知る限り、スタジオ未収録の曲だと思う。John の g と、Percy の b によるハーモニクスで始まる。Robin のドリーミーな kbd が素晴らしい。5:26に曲調が変化してからの切ない John の g と、リズムセクション3名の盛り上がりが美しい。
Tr.2 -ish
これもスタジオ未収録。イントロから刻む Percy の不思議なフレーズが耳に残る。Phil のタイトな ds も素晴らしい。いつまでも永遠に聴いていたいほどの、心地良く、しかし異常な緊張感に満ちたプレイ。この頃の Brand X は、プログレとも異なり、Canterbury Music でも無く、孤高の Jazz/Rock バンドとして唯一無二の存在だったと思う。
Tr.3 Euthanasia Waltz
Unorthodox Behaviour からの曲。タイトルが凄い。安楽死のワルツだ。この切なく甘美なワルツを聴いていると、このまま死んでしまっても良いと思うほど。
Tr.6 Malaga Virgen
Moroccan Roll からの曲。リズム隊の盛り上がりが物凄い。Kenwood は2バスだろうか。Robin のシンセと John の g の絡みも絶妙。4:27 曲中のインタールードで Percy の b が切ない。中東風の曲調に John の g がハンマーダルシマーのようなパッセージを奏で、素晴らしい。
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