無線機の搭載とPTT作成

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アマチュア無線の話。
若い頃は結構真剣にやっていた(2級ですが)のだけど、その後長いこと遠ざかっていた。ところが最近、バイクのツーリングで無線機を搭載している人が多く、聞けばインカムは面倒くさい、無線の方がすぐ繋がるし遠くまで飛ぶと言う。まあ確かに。
局免許をちゃんと取得・維持している人ばかりではない印象もあるけどね。
それはともかく、大人数のツーリングの場合等、先頭を走るリーダーからの休憩やルート変更等の連絡が自分だけ聴けないのはなかなか辛いので、ハンディー無線機を購入してバイクに搭載することにした。もちろん局免許は、大昔に失効していたので、超久しぶりに申請しましたよ。

まず、購入した無線機はYAESUのFT-3D。144/430のデュオバンダー。
デジタルモードとかものすごく多機能なのだけど、ほとんど使うことは無さそう。
じゃあなぜ、安い中古ではなく最新型機を購入したのかというと、Bluetooth が後付オプションではなく標準機能として内蔵されていて、安定性の評価が高かったから。

まずは、バイクに無線機を取り付けるための機材を購入。
RAMマウントで行くことにした。色々使いまわしが効くので。
具体的には下記をポチっと購入。
 ベルトクリップ用ホルダー RAM-HOL-BC1U
 菱形ジョイント RAM-B-238U
 ショートアーム 60mm RAM-B-201U-A
 ミラーフレームベース 11mmボルト穴用 RAM-B-252U
実はベルトクリップ用ホルダーが届いてから、菱形ジョイントを別途購入しないといけないことを知った。
手元に転がっていた謎の赤いゴムバンド(正体はタブレット用のカバーに付属してきたいわゆるブックバンド)を少し縮めてセットするとちょうど良い感じ。

(RAMマウントのベルトクリップ用ホルダー)

無線機背面に付属のベルトクリップを取り付けた上で、隙間テープを加工して裏蓋に貼り、上下左右のガタが出ないようにする。これをホルダーに嵌めるとぴったり固定される。なかなかよし。

(ホルダーに取り付けた状態)

バイクの左ミラーに共締めでミラーフレームベースを取り付け、ショートアームでホルダーをセットする。
無線機を立てると液晶表示が見づらい、かといって寝せると振動で外れて落ちるのが怖い、なので妥協の産物として中途半端にナナメになっているあたり、心の弱さかも。

(左ミラーにマウント)

電源はどうやら1日くらいならバッテリーで運用できそうなので、当面は考えないことにした。
ハンドル周りにUSBは引いてあるのだが、充電するには12Vが必要なので、バッテリーからケーブルを引いてこないとならず、ちょっと面倒。引いてくるだけならまあ簡単なのだけど、エンジンキーOff時に電流カットしようとするならば、ACCを取り出してリレーで給電する必要があるので、BMWあるある問題の一つである「CAN-BUSとの知恵比べ」をするはめになるはず。

まずはしばらくこの状態で走ってみた。
僕が使っているインカムは、DaytonaのDT-01。仕様上はBluetoothのチャネルを2系統持っている。
まずDT-01の電源を入れ、次にFT-3DのBluetoothをOnにして、ペアリングを行い接続。この状態で受信音はヘルメット内のスピーカーから聴こえ、インカムのボタン(Mボタン)を押すたびに送信On/Offがトグルする。よしよし。
続いてスマホのBluetoothをOnにして、DT-01と接続すると、無線機の受信音と同時にスマホのナビ音声や音楽再生も聴こえてくる。よしよし。
因みに、接続の順序を間違えても、無線機とスマホの双方が接続されて音が聞こえるのだけど、インカムのMボタンは無線機(のPTT)ではなくスマホ(の音楽スタート・ストップ)に繋がる。まあこれはこれでアリで、無線機はリスンオンリー、むしろスマホの音楽メインという気分のときは、そういう使い方も可能。
なお、間違ってこの状態で双方繋がってしまった際に、インカムボタンでPTT可能なように繋ぎ直すのは結構大変だ。無線機、スマホの双方のBluetoothをOffにして、無線機から先に接続しなおしてもダメ。どうやらDT-01がチャネル毎の接続先を覚えている模様。なので、
①DT-01自体の電源をまず一度Offにする。
②スマホのBluetoothをOffにする。
③DT-01の電源をOnにする。
④無線機のBluetooth設定から、DT-01にCONNECTする。
 (MボタンでPTTが送信・受信と切り替わることを確認)
⑤スマホのBluetoothをOnにして、DT-01と接続する。
という順序で再接続すべし。

さて、これでもまあ何とかぎりぎり運用可能な状態にはなったのだが、走りながらインカムの押しづらいボタン(Mボタンは小さくて押しづらい)をポチポチ押すのは危険。やはり手元にPTTスイッチは必須だ。

ということで、PTTスイッチ自作の話をそのまま続ける。
まずスイッチ。ここは好みもあるだろうね。僕は押している間だけ送信されるプッシュボタンなんて絶対ダメで、ロック型じゃないと嫌なので、その好みに合ったスイッチから探す。防水じゃないといけないし、ハンドル周りへの取り付け治具も検討必要。で探していると良いものを見つけた。

(BS-26L)

アドニス電気のBS-26L。Amazonで送料含めて約3,000円也。ちょっと高いけど、色々探してきて加工する手間を考えるとまあ楽だし。
本来はアドニス電気製の無線機用のパーツだが、所詮はスイッチだ。加工すればどうにでもなる。防水型トグルスイッチに、クラッチレバーボルト共締め用ステーが最初から付いていて、端子はRCAメスになっている。このRCAメスのところは、ニッパーですっぱり切って捨て、YAESU仕様に合わせて3.5φ4極ミニプラグを取り付けることとなる。

実はこのプラグのところで想定外に苦しんだ。
最初に秋月電子の通販で購入したストレート型「マル信無線電機 MP-435」は、無線機に差し込むと送信しっぱなしになってしまう。肩が短いのかな。
次に、町田のサトー電気で買ってきたL型「マル信無線電機 MP-435LN」も、同様にダメ。
その次に千石通商の通販で買ってみたストレート型「Pailiccs EEHD-4LBP」が大当たりで、ジャックにカチッとハマり、PTTのOn/Offもかっちりできた。
ただしPailiccsのプラグは、ケーブルをはんだ付けする部分が同軸型で面積狭く、前2者のような素人に優しい構造では無いので、はんだ付けの腕前がそれなりに要求されるよ。
ご参考までにPailiccs EEHD-4LBP の画像を貼っておく。画像中心より左下に伸びている同軸構造の部分にリード線を半田付けするのだが、幅2mm程度しかないうえに、撚り線を絡めるような穴や突起等が無く、しかも半田コテを長時間付けていると絶縁部分が溶けてしまうので、腕前が要求されるのであった。コツは、リード線に予め半田を染み込ませておき、また同軸部(の半田付けしたいところ)にも予めハンダを薄く乗せておくこと。これを半田メッキと称す。

(Pailiccs EEHD-4LBP)


次に、スイッチには直列に抵抗(2.2kΩ)を挿入する必要があるので、ケーブルの途中に空中サーカスのような工作を行う。我ながら力作の図を書いてみたのでご参考までに。

スイッチボックスは最初から樹脂モールドされていて、中に加工は不可能だ。また Pailiccs プラグの中はほとんど余地が無く、抵抗の立体配線は困難。
そこで、プラグから3cmほど離れたところで、ケーブルの外皮とシールド網線のみを切り、網線と網線の間に抵抗を入れてはんだ付け。その上から熱収縮チューブで固定し、更にPailiccsプラグと共に自己融着テープでがっちり巻いて固定&防水加工をした。ケーブルを強く引っ張ったりしなければ大丈夫だろう。
なお、メーカー推奨の回路図では、スイッチと並列にコンデンサを入れることになっているのだが、無くても今のところノイズ等含めて特に問題無いので抵抗だけ入れて使っている。

このPTTのスイッチを、クラッチレバーの取り付けボルトに共締めして固定。スイッチのステーの穴が大きすぎるので、そこらへんにあった適当なワッシャを利用。ステーの穴は長楕円になっていて、3cmくらい動かせる。僕はバーエンドに近いところを握るので、スイッチが最も外に出るようにして固定。

(PTT上から)
(PTT下前から)

これで安全に送信できるようになった。しばらくこの状態で運用してみるよ。

(2020年10月14日に追記)
kitagawa様からコメントで電話着信についてご質問をいただき、自分も確かに気になるのでちょっと実験してみた。以下、簡略だけどその結果を記す。

実験時の機器接続状況:
Daytona DT-01 と YAESU FT-3D ー 最初にBT接続。DT-01 のMボタン押下で無線機PTTが動作する。
Daytona DT-01 と スマホ(OPPO Reno A) ー 2番めにBT接続。PowerAMPで音楽を再生しDT-01から聴こえるが、Mボタンによる曲の Play/Stop はできない。

この状況(無線機は受信状態)で固定電話からスマホに電話をかけてみた。
(1)スマホ画面タッチでの着信 : OK(PowerAMPの音楽再生は自動的に停止)
 スマホ画面タッチでの切断 : OK(PowerAMPの音楽再生は自動的に再開)
(2)Mボタン押下での着信 : OK(PowerAMPの音楽再生は自動的に停止)
 Mボタン押下での切断 : 試行毎に電話を切断できたり、電話は切れずに無線機PTTが動作したり動作が不安定。
(3)いずれの場合もDT-01のマイクロホンからの音声は正常に電話に流れた。

更に無線機を送信中の状態にして、固定電話からスマホに電話をかけてみた。
(1)スマホ画面タッチでの着信 : OK(PowerAMPの音楽再生は自動的に停止)
 スマホ画面タッチでの切断 : OK(PowerAMPの音楽再生は自動的に再開)
(2)Mボタン押下での着信 : OK(PowerAMPの音楽再生は自動的に停止)
 Mボタン押下での切断 : なぜか安定して無線機PTT動作(押すたびに送信/受信切替)になる。電話回線は繋がりっぱなし(PowerAMPの音楽再生は停止中のまま)
(3)いずれの場合もDT-01のマイクロホンからの音声は正常に電話に流れた。

ということなので、無線機とスマホを同時接続している状態でも、どうやら安定的に電話を取ることはできそう。但し電話回線を切断する際にはスマホの画面操作にて行ったほうが良さそうだ。電話を終えるつもりでMボタンを押しても、電話は繋がったままで無線機が送信になったりするのでうろたえることになりかねない。
実験を行う前の予想では、Mボタンによる操作の機能(AVRCPだろう)は無線機にルーティングされているので、スマホの着信を取ることはできないんじゃないかと考えていたのだけど、やや意外というかなかなかありがたい結果になった。
以上は Daytona DT-01 固有の動作と思われ、他社のインカムでは異なる結果になるかもしれない。そもそも今回のは簡易的な実験なので、この実験結果をあまり信用しないでいただきたく。ご利用は自己責任でお願いしたい。そもそもバイク走行中に音楽と無線機と電話を同時に操るなんてことは、危険このうえないので、十分注意してあくまでも停車中にやってくだされ。以上。

コメント

  1. kitagawa より:

    貴重な設定の仕方を惜しみなく上げていただいて感謝いたします。
    実はこの記事を読んで八重洲FT-3Dを購入しました。
    インカムはB+com5Xで、先に無線を登録して、スマホを登録しました。
    しかし、バックグランドで曲を流しての無線操作は出来ず、曲を聴きながら、無線の電源ボタンを押すとBluetoothが働き、曲が停まって無線操作のみが出来る。
    無線の電源をオフにすると曲が再開される仕様となりました。
    私のよく参加させてもらってる倶楽部も無線が主体で、誰もインカムをつけていません。
    電話機と同じように喋れるインカムでは、話す時にスイッチを押す無線機と違いメリハリがなく最近嫌気がさしており、無線機運用はワクワクしてますが、やはり曲はバックグランドで聞きたい。
    そこでDT-01を購入しようかと思っています。
    スイッチの図面は有難いのですが、私にはハンダスキルが無いので、Mボタン運用となりますが、その状態でもバックグランドミュージックは聴けますよね。
    あと、電話がかかって来たときはどのようになるのか知りたいのでお答え願えますでしょうか。
    不躾で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

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    • jun より:

      コメントとご質問をありがとうございます。
      なるほど B+COM5X では、先に接続したスマホに後からの無線機接続が割り込むような動作になるのですね。(機器登録の順序は恐らく無関係で、BT接続の順序が重要と思われます)

      DT-01のMボタンのみでPTT運用する場合にも、接続手順を守ってスマホを接続しておけばバックグラウンドで音楽を聞きながら無線を運用することが可能です。実際、記事に書いた自作PTTスイッチが完成するまでの期間は、そのように利用しておりました。

      更にそこにスマホの電話着信があった場合の動作については、ちょっとお時間をいただきますが、調べて追記させていただきますね。確かにどうなるのか気になるなあ。

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    • jun より:

      ちょいと実験して、記事に追記させていただきました。ご参考まで。貴重なコメントありがとうございました。

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