
以前の愛車R1200Rのときは、オイル交換は極力自分で行っていた。
DIYでやる理由は費用削減のためというのもあるが、どのくらい走るとオイルがどの程度汚れるのかであるとか、季節(気温)ごとのオイル劣化の変化であるとか、走り方によってはドレンボルトに鉄粉が着いていたりとか、そういうバイクの健康状態を知ることができるからというのもある。
さてバイクをR1300RSに買い替えて、できればオイル交換は自分でやろうと思っていたところ、ようやく世の中に必要な情報が出回ってきたので、ちょっとやってみたという記事です。
参考となる情報
まず世にある情報で最も役に立ったのが下記の動画。
https://www.youtube.com/watch?v=p9L89SMfRDI
車種はR1300GSだが、R1300シリーズ(GS/GSA/RT/R/RS)はエンジンが共通なので、オイル交換に関してはほぼ同じだ。
(GS/GSAはエンジン下にスキッドプレートが取り付けられているので外す必要がある等の違いあり)
先に重要な情報だけまとめて書いておく。
①従来とは異なり、1300のエンジンにはドレンボルトが2つある!

上の画像はバイクの左側下方からエンジン下を見上げて撮影している。
画像の左方向がバイクの前方(ハンドル側)である。
右側に見えるのがメインのドレンボルト。
これはトルクスのT50で着脱できる。
締め付けトルクは28Nmだ。
左側に見えるのがクセモノのサブドレンボルト。
なぜクセモノなのかと言うと、まず斜めに着いているのでレンチにエクステンションを取り付けないと回しづらい。
また材質がアルミ!なのですんごく、おっそろしくナメ易い。
こいつはT30で着脱できる。
締め付けトルクは10Nmなのだが、トルクレンチを使わず、手回しで軽めに締めた方が安全かもしれない。
ドレンガスケット(ドレンワッシャーとも、Crush Ringとも言うね)は、メインがM16、サブがM10だ。
Daytona の型番(10枚入り)では、前者が96738、後者が75419なのだが、M10に関しては純正のものよりDaytona製の方が外径ちょっと大きめ。でも問題なく使える。
②オイルフィラーキャップは従来位置(シリンダーブロック上だった)より上というか後方に移動し、しかも斜めに着いている!

フィラーキャップの左にサイドカバーがあるので微妙に邪魔くさく回しづらい。
僕はプライヤーで掴んで回したが、フィラーキャップは樹脂製なので千切らないように注意。
③オイル容量は5Lだ。純正オイルの Advantec Ultimate が5本必要。
以前はMonotaroで最安に購入できたのだが、取り扱い終了になってしまった。
次に安く買えるのがアミダトレーディング㈱さんで、楽天等に出店しているよ。
④オイルレベル確認窓はバイクの右側、エンジンの最前部にある。

画像では見づらいが縦長の窓の右側に目盛りというか刻みがつけられていて、上限と下限が示されている。
オイルレベルがその間にあればOKだ。
⑤BMWのバイクはオイルを勝手に交換するとアラートが出るとか、必ずリセットが必要だから自分でできないとか信じ込まされている人も結構いるので、正しい情報を書いておく。
オイル交換は自分でやっても問題無い。
但しメーカーの指定オイルは BMW Advantec Ultimate 一択で、それ以外を用いた場合には、添加剤がエンジン内のコーティング(DLC)を痛める可能性がある等の理由で、メーカー保証条件が外れる場合があるとのこと。
まあね、Advantec Ultimate (ShellのOEMと噂に聞く)と同等以上の成分内容で高品質の100%化学合成オイルはあると思うので、エンジンオイルのことを良く理解しているユーザーが自己責任で使う分には問題ないとは思うが、メーカー側が純正オイル以外を使うと保証を外すとワザワザ宣言している以上、この「自己責任」はかなり重いと思うぞ。
それと、アラート&リセットの件だが、BMWのバイクの車載コンピューターにはサービス警告という機能が搭載されていて、定められた年月日(TFTのサービス実施時期画面では「予定日」と表示される)が到来したか、あるいは定められた走行Km数(同じく「残り走行距離」と表示される)を超過すると、TFTメーターにでっかい警告が表示される。別に警告が表示されても走行に問題は無いのだが、毎回出るようになって鬱陶しいので消したい。でもこれを消すためにはディーラーにいって工賃払ってリセットしてもらう必要がある。
ありがたい機能だね~^^;
これをリセットするためだけにディーラーに行くのが嫌な人は、OBD2コネクタにインタフェースを接続してスマホアプリでリセットできるよ。(後述します)
オイル交換の手順
前述したR1300シリーズ特有の情報さえ認識していれば、あとは他のバイクと同様の手順なので、経験者なら簡単にできるはず。
一応手順を簡単に書いておく。
まず必要な道具類。

上の画像の左から、トルクレンチ、ソケットレンチ、ビット(使うのはT50とT30のみ)、プライヤー(無くても良し)
あとは画像に出ていないが、抜いたオイルを受け止めるオイル受け、フィラーからオイルを入れるときに使う漏斗、ゴム手袋・ウェス・パーツクリーナー、まあそんなところだ。
あとは箇条書きで。
- メインスイッチを入れセンタースタンドを立てる。(R1300RSのセンタースタンドアシストは超便利!)
- 軽く暖気する。TFTメーターで油温が60℃になる程度まで。
- メインスイッチを切る。
- オイルフィラーキャップを軽く緩める。(先にオイルを抜いちゃってからフィラーキャップが固着して開けられずオイルを入れられなくなってディーラーにも自走できない!という最悪の状況にならないように、キャップが回ることを先に確認するという先人の知恵)
- ソケットにT50ビットをセットしてメインドレンボルトを少し緩める。まだ抜かない。
- ソケットにエクステンションバーとT30ビットをセットして、斜めになっているサブドレンボルトを少し緩める。まだ抜かない。
- ゴム手袋を装着し、エンジン下にオイル受けを配置したら、メインドレンボルトを回して抜き、続いてサブドレンボルトも回して抜く。オイル滴下が始まる。
- オイルフィラーキャップを回して外す。
- オイル滴下がほぼ終わるまで気長に(5分くらいかな)待ちつつ、外したドレンボルトをパーツクリーナーとウェスできれいに掃除し、ドレンワッシャーを新品に交換しておく。
- オイル滴下が終わったら、ドレンホールの周りをウェスで綺麗に拭いてからドレンボルトをセットし、メインは28Nmで、サブは10Nmで、それぞれトルクレンチを使って締める。前述したが、サブの方はナメやすいので、トルクレンチを使わずにエクステンションの先にT30ビットを付けて、これを手締めで慎重に締める程度で良いかも。
- オイルフィラーから漏斗を使って新品オイルを流し込む。フィラーが斜めなので、口先が細長くて曲がるタイプの漏斗があると良い。4Lくらい一気に入れてから、あとはオイルレベル窓を注視しつつ少しずつ入れていく。
- オイルが下限の刻みを超えたら、一旦オイルフィラーキャップを締めてエンジンを軽く回すと、オイルが上がっていくのでオイルレベル窓からオイルが見えなくなる。そこでエンジンを停めて、オイルを更に足していく。
- 下限から上限に向けて1/3~1/2くらいのレベルに入れれば十分。しばらくエンジンを冷やして、オイルレベルが上限を超えないことを確認する。
- オイルフィラーキャップをしっかり締めて完了。(次回困るので締めすぎないでね)
- ざっとここまで1時間程度だ。
サービスリセットについて
オイル交換作業自体は以上で終わりだ。
ただ前述したように、サービス警告が気になってDIYでオイル交換していない人がいるので、サービス警告への対処方法について簡単に書いておく。
必要なのはOBD2コネクタに接続するインタフェースと、スマホアプリ。
組み合わせとしては何種類かあるのだが、僕が使っているのはOBDLinkLXというインタフェースと、Motoscanというスマホアプリだ。
このインタフェースというのは、バイクの診断等のために車載コンピューターとの通信用に設けられているOBD2コネクタ(Euro規制で自動車にもバイクにも標準搭載されるようになった)に差し込んで、その通信内容をBluetoothで飛ばすための機器。
OBDLinkLXを今買うと1万円強くらいするみたいだ。
またアプリというのは、このインタフェース及びOBD2を経由して車載コンピューターと通信を行い、データを読みだしたり、書き込んだりするためのもの。
以前はこのアプリで色々なこと(コーディングと呼ぶ)ができたのだが、現在のBMWバイクではサービスリセットくらいしかできることが無いのが悲しい。
Motoscanアプリは、まずは無償で試用できるので、インタフェース購入後に接続確認等してみてから課金するのが良いと思う。僕が使っているのは Professional バージョンで、3000円前後だったと思う。
BMWの各車種に幅広く対応しており、自車のVIN番号を入れさせてそれ以外には使えないようにロックされるみたいな制限は一切無く、知人のバイクにも自由に使えるので、誰か一人持っていれば仲間内で使い回せるよ。

上の画像はR1300RSのシート下。
画像右側がバイク前方になる。
画像の右に写っている丸い樹脂部品はキーレスシステム用のアンテナで、その下にバッテリーが見える。
さて、画像中央下の緑色の機器がOBDLinkLXというインタフェースで、こいつが刺さっているのがOBD2コネクタだ。
以前乗っていたR1200Rでは、OBD2コネクタは丸形10ピンだったので、変換ケーブルを使ってOBDLinkLX(こっちは標準的な16ピン)を接続していたのだが、R1300RSでは車両側が16ピンになったのでOBDLinkLXを直接刺すことができるのがありがたい。
通常時はOBD2コネクタは蓋に差し込まれて固定されているのだが、コネクタ両側面にあるポッチを押しながら抜くと蓋から外せて、コネクタが出てくる。そこにインタフェースを差し込む。
インタフェースをセットしたら、バイクのメインスイッチを入れて、スマホとインタフェースをBluetoothで接続する。
無事接続されたら、Motoscanを起動し、バイクの車種を選択。
なおMotoscanの車種一覧にR1300RSは無いのだが、開発元に問い合わせたら「R1300GSを指定してくれれば同じだから使えるよ」とのことだったので、KA1(R1300GS)を選択。
通信する相手先機能がずらずらいっぱい出てくるのだが、前述したように今のBMWバイクではほとんどが使えなくなっている。ここではまず Instrument Cluster(KOMBI)を、続いて Service Reset を選択すれば良し。
あとは警告が出るようになる年月日かKm数を任意に入れれば良し。
リセットしたら、一応TFTメーターのサービス実施時期画面(My Bikeから右にいくつかページ切り換えていって最後のやつ)で内容確認すれば完了だ。

最後にいつものお約束だが、オイル交換もサービスリセットもそれほど難しいことでは無いとはいえ、大事なバイクの重要部分に触れるわけなので、あくまでも自己責任で慎重に。
本BLOGは、DIYでのオイル交換を決して幅広い方にオススメしているわけではありませんので、そこはご理解くだされ。
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