オランダのバカテクギタリスト。いわゆる Holdsworthy 系の代表格だろう。
本作は、Richard Hallebeek(g)、Frans Vollink(b)、Lalle Larsson(kbd)、Sebastian Cornelissen(ds)の4人を基本に、曲毎に豪華ゲストが参加しているのが聞きどころ。
なお、Richard Hallebeek Project 名義では2作目となる(だからRHP II)。まったり内省的なトーンだった一作目(2004)とはタッチが異なり、派手で明るい音になっている。
Tr.1 Wristkiller
同じく Holdsworthy 系代表格の Alex Machacek(g) がゲスト。
Wristkiller = 手首が酷使されて辛い曲なんだろうか。^^;
最初に右から聞こえるやや明るめの切れが良いトーンのソロが Richard で、続いてやや中音域が豊かでレガート+アームでぬるぬると進行するまさにHoldsworthyなソロが Alex 。僕はHoldsworth教の信者なので、このような音を聞いているだけで涅槃に行ける。
Tr.6 Speed City Blues
ブラジルの(メガデスのと書いた方が良いのか)芸達者ギタリスト Kiko Loureiro がゲスト。
基本の4名はJazz/Fusion寄りなのに対し、Kiko は芸達者とはいえHM/HR寄りのためか、ものすごく上手いのだけどややしっくりこない気がする。
Tr.7 Amelia
ゲストに Randy Brecker(tp) を迎え、モロに Brecker Brothers や Steps 風な軽快なフュージョンナンバー。
どちらかというとオタク向けな曲が多い本作の中では唯一、普通にラジオでオンエアされそうな健全な曲である。でもヒットしたりしそうにはないが。
Randy のソロが終わったあと、ブリッジを経て、Richard の「いつもの」変態的なソロが始まり、やっぱオタク向けになるのね。
Tr.9 East Side Bridge
このあたりが本作での一番の売りかな。Greg Howe(g) がゲスト。
Greg は当初Mike Varneyのところから売り出す際にHM/HR路線を選んだけれど、どっちかというとその後のフュージョン路線の方が生き生き弾けている。
いわゆるシュレッディング系(シュラプネル系)の中では最も Holdsworthy に近いところにいそうな Greg 君。本人も Holdsworth 先生がとてもお好きなようで、Victor Wooten、Denis Chambers と組んだ(というか先輩方の胸を借りて組ませていただいた^^;)Extractionでは、あの Tony Williams Lifetime の Proto Cosmos を演奏してたりする。脱線ついでに、Wootenを櫻井哲夫に替えたメンバーで来日(正しくは櫻井がリーダーでWooten以外のメンバーを招聘したのだが^^;)したときにも Proto Cosmos をやってくれました。
さて余計なことばかりいっぱい書いていることからうっすら伝わるかと思うが、本作での Greg のソロは精細に欠ける(何じゃそりゃ)。これは何だろうねえ。恐らく最初に基本の4名でバックトラックを完全に作り上げて、後からゲストのソロだけ重ね録りといった作り方なのだろうから、どうしても伸び伸び弾けずにお客様な感じになるんだろうね。
コメント