イタリアのバカテクギタリスト Marco Sfogli のソロアルバムがリリースされたので早速レビュー。
最初は James Labrie のソロプロジェクトへの参加で名前が売れ、その後 Virgil Donati のソロへの参加と Icefish 結成、そしてイタリアのプログレ大看板 P.F.M. への参加ととんとん拍子でキャリアを積んでいるよ。
Marco のプレイの最大の特徴は、音の美しさだと思っている。
タッピングも加えての超高速フレーズからジャジーなクリーントーンまで幅広いスタイルの演奏をこなす人なんだが、とにかく何をやらせても出音が安定していてアーティキュレーションがきれい。
ミストーンが無いのは当たり前としても、弾いていない弦の鳴りやちょっとした弦の擦り音、チョーキングやアーミング時のほんの少しの音程のずれ等といった「雑音」が全く無いのだ。
特に弦飛びの高速フレーズで、もたりもノイズも全く無いのは驚異的。もうほとんどキーボードとしか思えない滑らかさなのだ。
さて、本作は彼のソロとしては4作目。
今回 Bandcamp でまとめ買いしたので、旧作もいずれレビューするかも。
Marco Sfogli(g, kbd) 以外のメンバーは、b に Andrea Casali と Adam Nitti(Tr.5のみ)、ds に Jelly Cardarelli(1,6)、Roberto Gualdi(2,3,4,7)、Virgil Donati(8)、kbd に Alex Argento(2,3) が参加している。
因みに Andrea Casali と Alex Argento は、Marco と共に Icefish を立ち上げた仲間。
また、Marco と Alex は Virgil Donati のソロに参加したご縁で、Icefish に Virgil が参加。
Tr.1 Ambiguous Gifts
12/8の跳ねたリズムなんだけど、Virgil Donati は参加していないので(?)リズムはシンプル。
トリッキーにずれたりはしない。
g/b/dsのシンプルな構成で演奏していることもあり、Joe Satriani みたいな爽やかなギターインスト弾きまくり。
出し惜しみ無しの超絶技巧オンパレード。
世界中のギターキッズがTab譜を見ながら彼の曲のコピーに挑戦しているその気持ちが良くわかる。
Tr.5 Highway to the Park
Adam Nitti(b) 以外の音は全部 Marco だ。(g, kbd, perc)
あーこれは気持ち良い曲だ。
僕の好きな、Brett Garsed みたいな感じの雄大な曲調。
そして軽く歪ませたギターの音色の美しさよ。
Tr.6 Ooglyworld
この曲もギターのコブシの利かせ方が Joe Satriani ぽい気がするな。
因みに oogly ってのは、ugly よりも更に醜い意味らしい。
Tr.8 The Aftermath
皆さんお待ちかね、Virgil Donati の登場。
御大にしては抑えたドラミングではあるが、やはり出音の殺気が桁違いだ。
バッキングの kbd は Marco が演奏している。ここに Alex が参加していれば、Icefish そのものなんだが、ちょっと残念。
雄大な曲調で、伸び伸びと Marco が演奏しているのが気持ち良い。
Tr.9 Again [bonus]
Bandcamp のページにはTr.8までしか表示されていないが、購入するとちゃんとボートラが付いてくるよ。
Tr.1-8まではインストだが、この曲だけはボーカル入り。
しかもそのボーカリストは Alberto Bravin なのだよ。
そう P.F.M. におけるバンドメイトで、その後 Alberto は Big Big Train で故 David Longdon の穴を埋めるという大変な役目を担っている。
メンバーも、恐らく収録時期も他のトラックと異なる模様。
曲調も全然異なり、ちょっとダークなメタルだ。
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