Manu Dibango – Afrijazzy(1986)

昨日(2020/03/24)、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)により、 Manu Dibango がパリの病院で亡くなった。
享年86歳とのことだ。
素晴らしい音楽をたくさん届けてくれたことに感謝し、ご冥福をお祈りする。
多数の人が命を奪われているが、お気に入りのミュージシャンが亡くなるのは辛いなあ。

僕が本作をレコード屋で購入したのは、Bill Laswell 一派 + Herbie Hancok の “Rock It” チームの参加に釣られてなのだが、彼らが参加しているのは Tr.5 Makossa ’87 のたった一曲だけ。
そもそも本作が最初にLPでリリースされた際には、Makossa ’87 は収録されておらず、後にCD化する際に「客寄せのために」追加した模様。それにまんまと釣られたわけだ。
ところが、何度か聴いているうちにアフリカン達のJazzにすっかり魅了されてしまった。今になっても時折引っ張り出して愛聴している1枚だ。
参加ミュージシャンは多数に上るので、一部だけ紹介しておく。
まずリーダーの Manu Dibango(sax, vo) は、野性的なブローと、フランス語の渋いボーカルが素敵。
リズムセクションは、Paco Sery(ds) + Michel Alibo(b) が基本メンバーだが、曲により Valery Lobe(ds)、Francois MBappe(b)、Brice Wassy(ds) に替わる。
ホーンには、Hugh Masekela(tp)、Yoro Gueye(tb) が参加。
g と kbd は多数いるので割愛。
前述した Makossa ’87 だけは全く別メンバーで、リズムは Sly & Robbie、g は Bootsy Collins、kbdに Herbie Hancock、Bernie Worrell、Nicky Skopelitis、percに Daniel Ponce、そしてプロデュースに Bill Laswell と、まんま Rock It というかマテリアルの方々だ。

Tr.1 Massa Lemba
これぞ(西洋人が考える)アフリカってなサウンド。
マリンバみたいな土俗的 g から始まり、細かい3連の躍動的リズムで疾走する。
ドラムがゲートエコーっぽかったり、当時流行った音作りが少し安っぽいのだが、Manu の地を這うような歌声が圧倒的存在感を出していて、かっこいい。

Tr.3 Gombo Sauce
ゆったりと明るく楽しいアフリカン。voレスのインスト。
本当楽しいのよ、これ。聴いていてつい笑みが浮かんでくる。
リズム感が独特で、3×4のタイムと、2×6のタイムが同居する。dsは基本的に3×4(三連四拍)をキープするのだが、上モノが時々2×6で動いて面白い前進感を出すのね。

Tr.5 Makossa ’87
前述したように “Rock It” チームの皆さんによるアフリカ版 Rock It だ。
企画モノと思うかもしれないが、これなかなか出来がよろしいのね。
まず Robbie Shakespeare の b が意外なほどこの感じにマッチしている。
Bootsy のファンキーなカッティングg も全く違和感が無い。
スクラッチやシンセについては、まあ笑って許してあげよう。
Herbie Hancock の p が途中ちょっとだけ出てくる。え、これだけ?とは思うが、この一瞬のプレイだけでも Herbie の存在感抜群。

Tr.6 Kango
これが本作の中ではイチオシの曲。
Hugh Masekela(tp) が良い仕事をしていて、Manu とのブロー合戦が聞きどころ。
3:06頃から曲調が微妙に変化して、野性的に疾走を始める。夜のアフリカの都会を疾駆する獣達みたいな情景を想起。
Manu とコーラス隊のコール&レスポンス。「ホンダラホンダ」って聴こえるけど何だろね。
これはライブで聴いてみたかったなあ。

Tr.8 Abelly Sphere
レゲエみたいに後ろにビートが来る、ゆったりして酩酊感がある曲。
バッキングの g が北アフリカらしい踊れる感じ。ちょっと日本の明るい民謡っぽいのね。
Manu の sax ソロ、Didier Lockwood のバイオリンソロ、Paul Personne の g ソロ、最後は Manu の sax とともにフェードアウトで去っていく。このアルバムの終わり方、余韻が残って、なかなか素敵だ。

コメント