Talking Heads – Remain in Light(1980)

知ったかぶりして XTC を書いちまったので、こっちを書かないわけには行かないかなと。
本アルバムがリリースされた当時、世のオシャレな女子達にとっては Talking Heads = David Byrne だったと思うが、僕は雑誌でレビューを読んで、Adrian Belew がぶち切れた g を弾いているというのを聴きたい、ただそれだけのために買った口だ。
プロデューサーは Brian Eno、バンドメンバーと話合って、African Music のエッセンスを取り入れる。すなわち、進行しないワンコード、コール&レスポンス、ポリリズム等。今ではどれも比較的お馴染みのものばかりだが、当時、ポップソングにこういうのを取り入れるというのは相当ぶっ飛んだ考えだったのではないだろうか。

Tr.1 Born Under Punches (The Beat Goes On)
取り入れられた African Music のエッセンスがもう一つあった。この曲が具体例なのだが、各楽器が比較的単純な一つのパターンをずっと繰り返す。その繰り返しが重なってうねりを作るというやつだ。ガムランやケチャなんかとも同じ構造だね。
途中、Eno がいつもの変音のシンセを弾いている。これは無くても良かったんじゃないかな。それだけ Heads の皆さんのアフリカンなトラックの出来が良いのだから。
この曲のタイトルが2つのパート(括弧の外と中と)から成り立っているように、この曲のコーラスパートも2つ、あるいは3つの異なるフレーズが折り重なって進行する。これがなかなかかっこいい。

Tr.3 The Great Curve
曲名の偉大なカーブとは、女性の体の曲線のことだ。多分女性といっても、その辺りにいるおねえちゃんではなくて、大地(ガイア)とかそういうもっとデカイ話だとは思うが。
さてさて、お楽しみの Adrian Belew が見事にぶち切れた g を弾いている。David Bowie のライブに同行していたのもこの頃じゃないかな。後の Elephant Talk に繋がる猛獣の雄たけびギターである。1:54からのソロも凄いが、本領発揮するのは5:29からのソロの方だ。ギターというよりも、まるでテルミンのよう。彼のプレイの凄いところは、ノイズギターとか効果音ではなく、ちゃんと仕上がりが楽音になっていること。轟音だし、全くギターらしく無いが。この曲のここには、もう絶対に Adrian の g が鳴り響いていないと成立しない。そのくらい重要な音楽的構成要素になっている。ただの変態暴れん坊では無いのだ。
もう一つ思い出した。この曲で時々16拍目になるブラス音があるが、これは管楽器もシンセも使わずに作ったらしい。確かクラビネットとギターと、あと何かを同時にジャンと鳴らす。そうやって一つ一つ実験して、作っていった作品らしいのだ。

Tr.7 Listening Wind
これはアフリカンではなく、中東風・・・なんだろうか。砂漠を感じる曲である。後に Peter Gabriel が Scratch My Back(2010) でこの曲をカバーしているのだが、本物のストリングスを駆使して魔法のような音楽に仕立てた。元が良い曲だから、職人魂を刺激するんだろうね。

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