
米国の凄腕 Jazz+Funk 集団 Snarky Puppy がオランダの軽音楽系オーケストラ Metropole Orkest と組んで作成した素敵なアルバム。
まず Snarky Puppy はこのBLOGでも何度も紹介しているが、ベーシスト&作曲家の Michael League を中心に、主にノーステキサス大学の学生仲間が集まって結成された大編成(流動的だが20名近い)のバンド。
Jazzを軸として、ファンクやロックに南部のブルーズ、更には Michael League の個人的趣味で北アフリカ(モロッコ等)等の音楽要素がミックスされたカッコいいノリノリの音楽を創造する。
全メンバーが超絶的な技巧を持っていて、ライブでは丁々発止の即興をぶつけ合うんだから凄いよ~。
そして Metropole Orkest であるが、Jazz のビッグバンドと交響楽団を合わせたような編成(50名くらい?)を持つ軽音楽に強いオーケストラ。
本アルバム作成時点のリーダー(首席指揮者と呼ぶらしい)は Jules Buckley だが、先代は Vince Mendoza だった。Vince も Jazz 界では有名な作曲家で、彼の楽曲を中心に作成された Peter Erskine のアルバムなんかも良かったぞ。
Snarky と Metropole の共演は、2015年の Sylva 以来の2度目。
Snarky から派生した Bokanté の What Heat(2018) も Metropole との共演による素晴らしい作品だった。
さて本アルバムは、この大編成 Jazz グループと、超大編成オーケストラの全員をでっかいスタジオに収容し、そこに更に選ばれしオーディエンスをいっぱい招いてライブ一発収録したという、物凄い作品。
本アルバムにはCDだけのバージョンと、BluRayの映像がセットになったバージョンがあるのだが、お金に余裕があれば絶対後者がオススメ。
中央のお立ち台?に Michael League と Jules Buckley が並び立ち、その周囲360度を Snarky の面々と Metropole の皆様がぐるりと取り囲み、そして演奏者の隙間!!!にオーディエンスが座ってリラックスして演奏を聞いているという、もう物凄い現場風景が見られるよ。
(Youtubeでも惜しげもなく公開されている)
一つ付け加えると、ライブ一発収録とは思えないほど音響・音質が素晴らしい。
Snarky には専属の凄腕サウンドエンジニアが付いていて、彼の力量が凄いのだ。
巡業ライブのときにもこのエンジニアが同行して、ライブの音響調整をやってくれるので、彼等のライブのサウンドは常に高水準だったりする。
本作の楽曲は全てリーダーの Michael League が作曲したもの。
彼はこれらの作曲を集中して行うために、単独で我が国の大分県の宿に半月ほど籠ったとのこと。
全体的なテーマは「夢」らしい。
アルバムタイトルの Somni はラテン語で夢の意味。
Tr.1 Waves Upon Waves
Metropole の流麗なストリングスと、Snarky の打楽器軍団(このバンドにはドラムスが3名、パーカッションが3名いる)による勇壮なテーマにワクワクさせられる。
Michael のモロッコ趣味も感じる。
3:22頃からエレクトリファイされたバイオリンの熱狂的ソロ。
5:22頃からトランペット、サックス、フルートのソロ回し。
Tr.3 Chimera
2026年5月に Snarky が来日し有明でライブを行ったので行ってきたんだが、そこで彼等は Metropole 抜きでこの曲を演奏してくれた。
Snarky の前作 Empire Central(2022) みたいな南部丸出しのサウンド、ちょっとおどろおどろかわいいトッピングフレーズ、そして Metropole の皆様を得て可能となった超絶的重低音攻撃。
後半は特に、Snaryky と Metropole の全員が有機的に一体となって丁々発止とやり取りするレベルに達しており、両リーダーの能力に感嘆する。
Tr.4 Between Worlds
Michael League らしいナイーブで美しく、かつ北アフリカ風味も感じられる作品。
アメリカ(Jazz, Funk, Blues)とアフリカやカリブ等のワールドミュージックの橋渡しをしてきた彼が、日本の静かな田舎で過ごして我が国の音楽や風土に触れ、その影響が現れた曲なんだろうなと感じる。
Tr.8 It Stays With You
打楽器帯と重低音ベース、そして勇壮なストリングス。
2:30頃から打楽器隊とストリングスが一体となってリフ?を繰り返すのだが、物凄い迫力。
これをライブで体験できた選ばれし皆様は超ラッキーだったね~。
5:33頃から、ストリングスが Jaco Pastorius の Kuru みたいな上行フレーズを繰り返し(絶対に意識しているよね)て場面転換、そこから悲壮感溢れるドラマチックなテーマを提示。
ちょっとイッちゃってるロックなギターソロを経て静かに終わる。
最後はオーディエンスの大拍手喝采。
いやあ素晴らしい作品。

コメント