Be Bop Deluxe – Modern Music(1976)

何だか朝から懐かしいCDを聴いて、ちょっと書きたくなったので、レビューしてみる。Be Bop Deluxe の第4作 Modern Music だ。
本作がリリースされた1976年は、英国では Queen が既に絶頂期を迎えていて、Mr.Big (英国の方の)なんていうちょっと Queen に似たサウンドの素敵なバンドも出現していた。翌年には David Bowie のベルリン3部作の第1弾 Low が出てきてパンクっぽいサウンドに皆びっくりするのだが、その直前。パンクロックがマーケットを席捲し始めていた頃。
本作制作時の Be Bop Deluxe は、Bill Nelson(g, vo) / Charles Tumahai(b) / Simon Fox(ds) / Andrew Clark(kbd) という顔ぶれ。曲は全て Bill が書いている。たった一人で書いて、真ん中で弾いて、歌うのだから、まあワンマンバンドと呼ばれてもしかたない。実際のところ、Be Bop Deluxe の魅力は、Bill が書く曲に漂う、お洒落で、Popで、少しSF(今ならサイバーとか言うかも)な独特なセンスにあるのだ。

Tr.1 Orphans of Babylon
Bill のアコギ及びエレキが多重録音され、ボーカルも多重だ。そこに深めのエコーをかけ、何だか懐かしいあの頃のもこもこしたサウンドに仕上がっている。

Tr.2 Twilight Capers
これはもう完全に Bowie フォロワーの音だね。Moonage Daydream とかその感じ。

Tr.7 Modern Music
さて、本題はここからだ。Tr.7からbonusを除く最後のTr.15まで(LPではB面全て)一つの組曲になっているらしい。わかりやすいのは、Tr.12 の Modern Music(reprise) までの展開かな。
最初の Modern Music は、ラジオをチューニングするシーンから始まる。ドリーミーで素敵な曲だ。
続く Dancing in the Moonlight (All Alone) は、フェイズシフターをかけたギターのバッキングと、その上に重ねたマンドリン奏法のギターがキラキラと月光を表現する。
次の Honeymoon on Mars は、David Bowie 風。あの方も火星方面から落ちてきた方だしね。
続く Lost in the Neon World が、僕のフェイバリットチューン。曲はノンストップで、次の Dance of the Uncle Sam Humanoids に繋がる。スペーシーなギターと、ファンキーなバックの演奏がかっこよし。最後に Lost in the Neon World のリフを再度演奏して、切れ目なく Modern Music(reprise) に繋がる。
もういつまでも聴いていたい至福の曲だ。

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