Soft Machine – Softs(1976)

高校生の頃に Jazz Rock にやたらと詳しい学友がいて、僕も Soft Machine が好きだと言ったら目を輝かせてどのアルバムが好きかと問う。僕が Softs と答えると、何だか凄くがっかりした顔をしていたなあ。
Soft Machine は Canterbury Music の歴史そのものと言っても良いほどの長い歴史を有するバンドで、メンバーチェンジを何度も繰り返しているので、その時期によって出音が全く異なる。初期の即興Jazzが好きな人もいれば、Robert Wyatt がオルガン弾いて歌うのが最高という人も多いし、軽快なJazz Rock Fusionになった時期を好む人もいる。
僕の Soft Machine との出会いは、中学生か高校生の頃だったと思うが、FMのエアチェック番組で本アルバムが全曲放送され、それを録音して聞いたのが最初。当時の僕は、聴いたことの無い新しい音楽に飢えていて、少し背伸びしたい気持ちもあったのだろう。奇妙な名前のバンドに心惹かれ、録音テープを何度も聞くうちに大好きになっていった。その後 Canterbury Music の奥深き世界にどっぷりと漬かっていくのだが、その最初の道しるべとなったのが本アルバム。
そういえば、社会人になって既にレア化してしまっていた本アルバムのCDを探し回ったもののなかなか入手できず、とある中古CD屋で見つけてゲットしたが、他のCD数枚と一緒に車に置いていたら窓を割られて盗まれてしまい、泣く泣くまた中古CD屋まわりをするはめになった記憶がある。僕にとって何かと曰くつきの1枚なのだ。

Tr.1 Aubade
John Etheridge のアコギを伴奏に、Alan Wakeman の ss が美しく響く幕開けの曲。因みに、この Alan Wakeman は、Yes の Rick Wakeman と親戚関係の人らしい。

Tr.2 The Tale of Taliesin
爽やかなTr.1と対照的に、神秘的でほの暗くドラマチックな曲。Taliesin とは6世紀頃の伝説的詩人。
ミニマルミュージック的に反復される Karl Jenkins のピアノの12音が遠い伝説の世界に誘う。3:10頃から John Etheridge のフェーズシフターをかけた高速ギターソロ。1975年の Bundles に参加した Allan Holdsworth 御大は既に別格として、当時の Jazz Rock シーンでは John Etheridge と Brand X の John Goodsall あたりがキチ〇イ速弾きギタリストとしてキッズの尊敬を集めていた。

Tr.3 Ban-Ban Caliban
SFチックな効果音のイントロに続いて、スリリングに疾走する John Marshall (ds) と Roy Babbington (b) のリズムセクションがスタートする。Alan Wakeman(ss) のかっこいいソロが曲を牽引し、John Etheridge(g) の超高速ソロが続く。最後は再びSFチックな効果音に包まれて終わる。

Tr.11 Etka
John Etheridge のアコギ重ね録りソロ。とても知的な端正な曲だ。

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